アルジェリアの街中の、屋台や路面店で売られているストリートフードがある。下校時間になると校門に売り子がやってきて、お腹をすかせ小銭を握りしめた子どもたちが買いにくる、アルジェリア人なら誰もが思い出すソウルフード、それがガランティータ(地方によってはカレンティーカ)だ。ヒヨコ豆の粉をベースに、水、塩、時に卵を加えて焼き上げるだけのシンプルなもの。大きな天板で焼かれ、ヘラで切り取って、サンドイッチにするか、そのまま食べる。仕上げにクミンパウダーがふんだんに振りかけられ、お好みで唐辛子ペーストのハリッサも付けられる。メトロのバルベス=ロシュシュアール駅界隈で大人気の2店を食べ比べてみた。
1店目はLe Roi de la Garentita。サンドイッチ(大3€、小2€)はパンに挟むガランティータの尋常ではない量に尻込みして容器入りの小(3€)で初体験。まず食感が面白い。底部分はタルトのように薄く固めで、下半分はフランのようにむっちりしている。そして上半分はおぼろ豆腐か茶碗蒸しのようにとろとろ。ヒヨコ豆の素朴な味に、たっぷりのクミンがエキゾチックで後を引き、ついつい食べ進んでしまう。この店のもう1つの人気商品、アンチョビのピザ(1€)もおすすめ。ほんのり甘めのトマトソースは、ちょっとクセになりそうで、ファンが多いのも頷ける。
● Le Roi de la Garentita :
9 bd de Rochechouart 9e 11h-22h 無休
M° Barbès Rochechouart
2店目はKaliente。同じく容器入り(大5€、中3€、小2€)で小を注文。こんがり焼けた薄皮を突き破ると、中は均一、まるでできたての絹豆腐のよう。食感も塩加減も、こちらの方がやや繊細な印象を受ける。サンドイッチ(大3€、小2€)にも挑戦してみたところ、軽めのバゲットパンと実によく合う。こちらのアンチョビのピザ(1.5€)やピーマンとチーズのピザ(2€)もまた美味。軍配は上げられないので、その日の気分で決めたいところ。(み)
● Kaliente :
49 bd de la Chapelle 10e 11h-22h 日休
M° Barbès Rochechouart