満足できる食事ができるはずもないと思っていたシャンゼリゼ界隈のレストラン事情が近頃変わりつつあるようだ。注目店の一つがココ!可憐という形容詞がぴったりなシェフ、マノン・フルリーさんのパーソナリティを感じる料理が魅力的なビストロだ。昼どきは評判を聞きつけてきた人で連日満員だが、少し時間をずらせばゆったりと食事ができる。
鶏のブイヨンと半熟卵の前菜(10€)が品切れだったので、タコとパレスチナ独特の全粒粉を使った大粒のクスクス〈マフトゥール〉(12€)を試してみた。繊細な盛りつけからは想像がつかない、レモンやセドラ(レモンの原種)の強烈な酸味に圧倒された。シェフの元気いっぱいの若さと芯の強さを表しているようだ。マフトゥールの食感も楽しい。グラスでとったシュナン種の白ワイン(7€)も酸味の強い若いワインだった。
魚料理が得意そうなシェフなので、メインはメルルーサ。シェフ自ら給仕してくれ、ブール・ブランソースもテーブルでかけてくれたのだが、エシャロットのコクが素晴らしいソースだったので、もっとかけてと頼めばよかった。中東でよく使われるスパイス、スマックが柑橘系の酸味と香りを引き立てている。
洋ナシのデザート(8€)は、シロップ煮にしたコンフェランス種のナシ、クルミ入りのビスケットを砕いたもの、レグリス風味のクリームがやさしい味。見かけよりも味という典型的なビストロのデザートです。ワインの品揃えにも定評があり、ボトルは28€からとこの界隈では良心的。夜はワイン片手にタパス料理(各5〜13€)が楽しめる。夜は予約を取らないので、早めの来店が無難。(里)
Le Mermoz
Adresse : 16 rue Jean-Mermoz, 75008 ParisTEL : 01.4563. 6526
アクセス : M° Franklin D. Roosevelt/ Saint Philippe-du-Roule
URL : http://www.facebook.com/restaurantlemermoz/
月~金 12h-14h30/18h30- 23 h30 (温かいタパスは19h30- 22h) 土日休