Cezanne, lumières de Provence
パリ11区。19世紀に建てられた鋳造所の広大な空間でプロジェクションによる没入型展覧会を行う「ラトリエ・デ・リュミエール」で、新しいプログラム「セザンヌとプロヴァンスの光」が始まった。
エクサンプロヴァンスの中心地で帽子屋を営んでいた父親のもとに生まれたポール・セザンヌ(1839-1906)。プロヴァンスに育ち、その自然と人を描き、晩年はエクサンプロヴァンスに近いローヴの丘にアトリエを構えた。絵を描きながら雨に打たれ、胸膜炎で亡くなったというセザンヌの作品は、プロヴァンスとその色、光なしには考えられない。
父親は財をなし銀行家となり、立派な邸宅を買う。そこで働く農夫たちを描いた作品は「カード遊びをする人々」「パイプをくわえた男」など、彼の代表作となった。多くの作品に描いたりんごも、アトリエ・デ・リュミエールの壁や床いっぱいに映写される。
他にも、200点もの作品のモチーフとなった水浴をする人々、セザンヌの母親が借りたエスタックの家から見えるマルセイユの海と風景、ビベムス採石場の鮮やかな黄土色の石。晩年のアトリエからさらに丘のてっぺんまで登ると見える、サント・ヴィクトワール山など、セザンヌの作品が、140台のプロジェクターで映し出され、動き出す。
本物は世界じゅうの名だたる美術館に散らばっているから、なかなかいっぺんには見られない。でも、ここでは思う存分鑑賞できる。デジタル芸術の利点だ。
美術館での展覧会とは違って、絵画のタイトルや年代、説明などもない。ここは「芸術について学ぶより、芸術を体で感じる場」と芸術監督のジャンフランコ・イアヌッチさん。
同じチケットで、カンディンスキー作品がテーマの「カンディンスキー、抽象の冒険譚 Kandinsky, l’odyssée de l’abstrait」も楽しめる。「セザンヌとプロヴァンスの光」とともに、2023年1月2日まで。
月〜木 : 10h-20h。金土 : 22hまで。日 : 10h-19h。
*当日券は、以下のネット料金に+2€。
入場料 : 16€/13€(学生など)
65歳以上高齢者割引 : 15€
若者割引 : 5~25歳 11€
家族割引 : 大人2人+子ども2人(5〜25歳)48€
L’Atelier des Lumières
Adresse : 38 rue Saint-Maur, 75011 Paris , FranceTEL : 01.8098.4600
URL : https://www.atelier-lumieres.com/