オベルカンフ界隈のど真ん中に、お昼時になると軒先に飾られたカラフルな風車に呼び寄せられるように次々と人が入っていくお店がある。店内はたったの6席なので圧倒的にテイクアウト客が多く、みな常連なのが見てわかる。
この店の基本はまず野菜。10種類近くの生野菜を、注文が入ってから素早く茹でる。それに白米、小麦粉の麺、または米粉の平麺からベースを選び、ソースも、トマトソース、醤油、マイルドカレー、Alicheurソースから選ぶ。Alicheurソースというのはインド、東南アジア、中南米でよく食される果実タマリンドがベース。その甘酸っぱさが特徴だが、甘みがかなり強いので好き嫌いが分かれるだろう。
基本の野菜のみなら7.2€、豆腐、ナスとピーマンのグリル、蒸し鶏、牛肉、エビなどの具を追加すれば8.5€。ヴィーガンでもベジタリアンでも、肉食でも海鮮好きでも、誰もが自分の好みで楽しめる。オーブンでしっかり焼き上げられたナスとピーマンはとろとろに柔らかく、野菜本来の甘みがたまらない。牛肉はひき肉と書いてあるけれど、しぐれ煮のような感じ。ほんのりスパイシーで濃厚なので、全体のアクセントになってくれる。
マイルドカレーソースは、ココナッツミルクの量が多すぎず、まろやかさがちょうどいい具合だ。同じようにベースと具を自在に選んでスープ料理(7.2〜8.5€)、サンドイッチ(6.1〜7.1€)、サラダ(7.2〜8.5€)としても味わえる。
とにかく野菜がたくさん摂取でき、油をほとんど使用しないので低脂肪、ゆえに食後に胃にもたれたりせず、栄養面でも気がとがめることがない。健康食を重視するからといって、ストイックにならないのもポイント。牛肉やツナ、チーズの春巻きも、バナナや洋梨の春巻き風デザートも、オーブンで焼いているから揚げてないのに皮がパリパリで、遅めに行くと売り切れてしまうこの店の人気商品だ。(み)
L'Alicheur
Adresse : 96 Rue Saint-Maur, 75011 ParisTEL : 01.4338.6138
アクセス : M° Parmentier
12h15-15h30/19h15-23h30 土日休