Joues de porc au cidre
〜豚のほほ肉に、人気がでてきているのがナットクのシードル煮です。〜
ロックダウンでレストランが閉まっているから、毎日のように手料理。こんなとき、煮直しできたり、ほかの料理にも転用できる煮込み料理が、なんといっても頼りになる。そこで、パリのビストロででもよく出てくるようになった豚のほほ肉の煮込みを作ってみよう。
このほほ肉、ふつうの肉屋にはほとんど置いてない。臓物屋 triperieに出かけて、多めだけれど、1キロ(キロ15€前後。15個くらいあるだろう)手に入れたい。二つに切り分ける。ほほ肉が手に入らないようなら、豚の肩ロースéchineを厚めに3枚切り出してもらったものを買ってきて、骨をはずしてから切り分けて使うことにしよう。
玉ネギは小さく切り分け、ニンジンは厚めの輪切りにし、ニンニクは押しつぶす。ココットのような厚鍋に、油とバターを半々にそれぞれ大さじ2杯ほどとり、中火にかける。バターが泡立ってきたら、塩、コショウしておいたほほ肉を加える。絶えず混ぜ合わせながら4分ほど炒めたら、網じゃくしを使って肉をとり出す。鍋は洗わずに玉ネギを加える。鍋の底についているうまみを溶け込ませるようにヘラで混ぜ合わせながら、透き通るようになるまで炒め、シードル酒を半量注ぐ。シードルは「brut」と明記されている辛口がほしい。
沸騰して4分ほどたったら、ニンジン、ニンニクを入れ、残りのシードルを注ぐ。肉とひたひたになるように水を足してから、ブーケ・ガルニ(*下記)、チキンのブイヨンキューブを加える。再沸騰してきたら弱火にし、ふたをして1時間半ほど、肉が柔らかくなるまで火を通す。煮汁が多いようだったら、最後の方はふたをとって、少々煮詰めるようにしてから、塩味を調える。ほほ肉は、ちょっと煮過ぎても煮くずれしないから、翌日煮直すとさらにうまくなる。味を変えたいなら、カレーにすれば、これまたごちそうだ。
付け合わせはマッシュポテト。肉のうまみをたっぷり吸った煮汁と混ぜ混ぜしながら食べると、ほっぺたが落ちる!(真)
【材料 4人分】豚のほほ肉800gから1キロ、玉ネギ2個、ニンジン3、4本、ニンニク2片、ブーケ・ガルニ、チキンのブイヨンキューブ1個、シードル400cc、バター、油、塩、コショウ。
*ブーケ・ガルニ : 10センチくらいに切った長ネギを、切り離さないように注意しながら縦に切り開く。芯の部分を少々取り出し、タイム適量、ローリエの葉1枚、パセリ適量をはさみ込み、セロリでフタをするようにしてから、糸で結わえる。そして、長ネギからはみ出しているパセリを切り落とす。