Jakuchû 若冲 〈動植綵絵〉を中心に。

 

Itō Jakuchū, Coqs, 1761-1765, Tōkyō, Musée des collections impériales (Sannomaru Shōzōkan), Agence de la Maison impériale

 江戸時代中期の絵師、伊藤若冲(1716-1800)は当時は高名だったが、その後忘れ去られ、近年再評価されるようになった。パリでは、宮内庁三の丸尚蔵館(東京)が所蔵する動植物を描いた「動植綵絵(さいえ)」全30幅と、京都の相国寺にある「釈迦三尊像」3幅を展示する。若冲が相国寺に寄進した33幅が一堂に会するのはヨーロッパでは初めて。

 京都の富裕な青果商の家に生まれ、10代の頃に絵を始めた。父の死後22歳で家業を継ぎ、40歳で弟に家督を譲ってから画業に専念。84歳で亡くなるまで描き続けた。会場では、動植綵絵が釈迦三尊像を取り囲んでいる。鳥、植物、魚、貝、虫、植物が大胆な構図と超絶的技巧で描かれ、動物の動きに愛らしさがある。当時日本になく、おそらくオランダから輸入されたプルシャンブルーを北斎より60年前に使った(魚の絵の左下の青黒い魚)という、新しもの好きな面もあった。内覧会で読経した相国寺の有馬頼底住職は、「生命をたたえるための法要」と説明し、「草木、国土、魚、鳥、ゲジゲジもすべて仏になる」という仏教の教えを話した。環境破壊で多くの生物が絶滅の危機に瀕している今、敬虔な仏教徒の若冲が描いた動植物の絵は、生命の大切さを思い起こさせる。(羽)

10月14日まで。月休。 11€/9€。


Petit Palais

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