保険会社「マイフ」が「マイフ・ソーシャルクラブ」という文化施設を1月にパリのマレ地区に創設した。オープニングを飾るのは、現代美術の敷居を低くした、誰もが楽しめる展覧会だ。現代社会における「像」とは何か、をテーマに15人のアーティストが参加した。
ミゲル・シュヴァリエは、建築物のような幾何学の像がどんどん変化していく映像作品を出した。未来都市を見ているような錯覚に陥る。フランス人アーティスト2人組の「セノコスム」は、天井から下がる植物に触れると、植物が出す波動が音で出るインスタレーションを作った。なでたときと強く抑えたときでは音が違う。アラム・バートルは壁にUSBキーを埋め込み、誰もがそこに入っている情報を取れるようにした。シンプルなアイデアだが、現代社会で情報交換とは何か、を考えさせる参加型の作品だ。
コミッショナーのフロランス・ギオノー=ジョワさんは「科学的なアプローチの人か、遊びの要素があるアーティストを選んだ」と言う。その意図が十分に感じられる展覧会だ。(羽)
3月31日まで 月〜土 10h-20h30 木 22h 無料