
フランス王家の宝飾品強盗、柱が老朽化した展示室の閉鎖、古代エジプトの書庫の水漏れなど、トラブルが続いているルーヴル美術館。このような状況で働くさまざまな職種の従業員が、12月15日のストを予告している。
労組は人員不足や技術的な不具合、または建物の老朽化のために公開できなない展示室が多いことや、各人の任務が増えていることなどを挙げ、監視、案内などのポストを中心に200人の人員増加を訴えている。
また、マクロン大統領は今年の頭に、モナリザのみの展示室を新設し、専用の入口を設ける工事などに巨額の投資を行う「ルーヴル・新ルネサンス計画」を発表しているが、それよりも防犯や老朽化対策の工事などを優先的にすすめるよう見直しを求めている。というのは、宝飾品強盗が入った窓の問題も、古代エジプト書庫の配水管の問題も、何年も前から報告されていたのに対処されていなかったことが指摘されているからだ。全般的に老朽化する建物の安全性確保は、デカール館長もかねてからダチ文化大臣に請願していたことだった。
労組はもうひとつ別の要求を掲げている。今後必要となる大工事の費用をまかなうために欧州外からの入館者の料金を上げることを、指導部が取り下げることだ。どこから来ようが、皆に同じ条件で文化に触れる機会を提供したいという理念からだ。入館料は上がってしまいそうだけれど、その〈心〉に感謝したい。



