ゴンクール賞はエルヴェ・ル=テリエ氏『L’Anomalie』、ルノドー賞はマリ=エレーヌ・ラフォン氏『Histoire du Fils』に。
2020年度のゴンクール賞とルノドー賞が発表された。コロナ対策のため、今年の発表は例年の会場のレストラン「ドルアンDrouant」ではなく、オンライン形式で行われた。
ゴンクール賞の審査員長ディディエ・ドゥコワン氏(63)は、2020年のゴンクール賞をエルヴェ・ル=テリエ氏の『L’Anomalie』(ガリマール刊)に、ルノドー賞の審査員長ジョルジュ=オリヴィエ・シャトーレノ氏は、同賞をマリ=エレーヌ・ラフォン氏(58)の『Histoire du Fils』に授与すると発表した。
ル=テリエ氏の著作は審査員10人のうち、8人の票を集めての受賞に。数学者からジャーナリストとなり、文学グループ「Ouvroir de littérature potentielle」(潜在的文学工房)のメンバーでもある。日本でも『カクテルブルースin N.Y.』『カクテルアンコールin N.Y.』(ともに植田洋子氏の訳)などの小説が翻訳・出版されている。
これらの賞の発表は11月10日に予定されていたが、今日の発表となった。これは、政府判断により書店が営業停止となっている間に受賞作品を発表すれば、ネット通販大手の売上げばかりが伸びてしまい、個人経営の書店の売り上げにつながらないことから、書店の営業再開まで発表を待つという、審査団の書店へのはからいだった。