Georgia O’Keeffe - ジョージア・オキーフ
日本では有名だが、フランスでは意外に知られていないのがジョージア・オキーフ(1887-1986)だ。このフランス初の回顧展では、若い頃から晩年までの彼女の肖像をスライドで大写しにし、彼女自身の言葉をちりばめて、その人となりに焦点を当てた。作品も時系列を尊重しつつテーマ別に展示されており、わかりやすい。
20代の時、前衛芸術を紹介する画廊主で写真家のアルフレッド・スティーグリッツから評価されたことが、世に出るきっかけになった。小さく描いては見てもらえないからと、写真のクローズアップのように画面いっぱいに描いた花のシリーズで有名だが、彼女が描くのは薔薇やカトレアではなく、カンナやケシのような、ひっそりと庭に咲く花だ。大輪に描かれたシロバナヨウシュチョウセンアサガオは、実際はすみれほどの小さな花で、その実は毒にも薬にもなる。
花の形状が女性器を想像させることから、このシリーズはエロティックだと評価された。本人はこの説を否定したが、この世のものではないよう な色彩と相まって、植物の妖しい美しさがある。23歳上のスティーグリッツと結婚してニューヨークに住んだが、人生の後半は、ニューメキシコの荒削りな自然に惹かれてその地に移住し、天寿を全うした。(羽)
ポンピドゥ・センター
12月6日まで 水〜月11h-21h 木23hまで
予約はこちらのページから:www.centrepompidou.fr/fr/programme/agenda/evenement/60bdJRm
Le Centre Pompidou
Adresse : Place Georges-Pompidou, 75004 ParisURL : https://www.centrepompidou.fr/fr/programme/expositions-musee