どの魚屋でも買うことができるゆでエビは、とても便利な食材。レモンやマヨネーズを添えれば、たちどころにアペリティフのつまみや素敵なアントレになる。今回は200グラムほど買ってきて、旬のアルティショー(アーティチョーク)といっしょに冷やし茶わん蒸しに入れてみた。
エビをむき身にし、大きかったら二つにそぎ切り。頭と殻は小鍋にとり、ひたひたちょっとに水を張り中火にかける。沸騰してきたら弱火にし15分ほど煮たら、マッシャーなどで押しつぶし、パソワールにキッチンペーパーを敷いてこせば、エビ風味のだしになる。別にだしを400ccほど用意する。面倒なら即席の顆粒を使ってもいいのだが、ぼくは昆布でだしをとる。
下のコラムに従ってアルティショー1個を下ごしらえ。歯ごたえが残るように塩ゆでし、短冊に切る。卵4個を丁寧に割りほぐし、エビだしと昆布だしを好みの割り合いで400ccちょっと加え、茶わん4個に均等に注いで、いつものように蒸す。ほとんど蒸し上がった頃合いに、アルティショーとエビを置き、シブレットを散らす。すっかり冷めたら、冷蔵庫で冷やしておいた残りのだしを具がかぶるように注ぐ。見た目もさわやかな夏らしい一品です。(真)
アルティショーを準備しよう。
チョウセンアザミのつぼみがアルティショー(アーティチョーク)。南仏産で、いくつか結わえて売られている小柄な「ヴィオレ」は、そのまま薄く切ってサラダかバリグールというオリーブ油炒め。主にブルターニュ産の「カミュ」という大きなものは、丸ごと塩ゆでにし、ヴィネグレットソースで味わう。
今回の「ふつ・わ」は、カミュのフォンfondと呼ばれる花托を使う。花托をとり出すには、まず茎を折りとる。次に全体の1/3くらいのところに包丁を入れ、ザクリと先を切り落とす。葉をあらかた手でむしり取ったら、よく切れるペティナイフで、面どりする要領で残りの葉を切りとる。最後にチクチクする繊毛をスプーンでえぐるようにしてとりのぞく。酸化して黒くならないように、調理するまで薄いレモン水に漬けておく。