Ramsès & l’Or des Phararons
昨年は、エジプト学の始祖、シャンポリオンのヒエログリフ解読200周年を記念し、フランスでエジプト展が続いたが、本展はエジプト政府の後援のもとで世界10都市を巡回する、全く別の展覧会だ。
会場が美術館ではないので、格下と見られるかもしれないが、それを承知で推すのは、こんなにわかりやすく楽しめるエジプト展は滅多にないからだ。歴史も作品も、平明な言葉で簡素に説明されている。ビデオの大写しで、エジプトとヒッタイトの戦争の様子を知ることができる、宝飾品はアップで360度写し出されるので、細工がよくわかる。
エジプトの美術館から来た181点の中には、国外で初めて紹介する出土品も含まれており、フランスの美術館にないものが見られるのも魅力だ。表題のラムセスは、エジプト新王国第19王朝のラムセス2世(紀元前1305〜1213)のこと。国を繁栄させ、90代で亡くなり、子どもの数は110人、在位期間はエジプト史上最長という桁違いの王で、その後の王たちの模範となった。
ラムセス2世の墓は荒らされ、埋葬品は残っていないが、後世の王が彼の墓から盗んで自分のために再利用したものが幸いにも残っており、それが少し展示されている。
展示品の多くは同時代や後世の出土品だ。中央アジアから来たラピスラズリをふんだんに使った豪華な宝飾品も忘れ難いが、一番驚いたのは埋葬された動物のミイラ。猫、ワニ、ライオンの仔、スカラベまで、想像を絶する数の動物が生贄(いけにえ)になった。
米人学者によると、古代エジプトでは動物をミイラ化するビジネスが盛んだったそうだ。(羽)9/6までの予定だったのが、10日までに延長!
Grande Halle de la Villette
Adresse : 211 av. Jean Jaurès, 75019 Paris , Franceアクセス : Porte de Pantin
URL : https://www.expo-ramses.com
毎日9h-19h30(土日-20h) 日時限定チケット:大人24€/4〜14歳20€。オープンチケット:一律32€ ※開催前から15万枚の前売券が売れていたので、早めに予約!