Encornet et porc à la coréenne

辛いもの好きの友人がやってくるので、韓国の家庭料理の一つ、イカと豚肉をコチュジャン入りの甘辛ソースでいため合わせるオサムブルコギをつくることにした。
まずencornet(アンコルネ)と呼ばれる中イカの下準備。胴と足のつながっている部分に指をさし入れ、ハラワタごと足を引き抜く。胴についているエンペラを、胴の元の方にむかって引っぱりつつはずしながら同時に皮もむきとる。胴の軟骨を抜いてから開き、キッチンペーパーで水気をよくぬぐう。ハラワタが入っていた側に格子状に切れ目を入れ、2.5cmx6.5cm大の短冊に切り分ける。足は、ハラワタを切り落としてくちばしをとりのぞき、食べやすく切る。
豚肉は脂が混じり込んでいる肩肉échineがいい。骨を切りはずしてから、食べやすい大きさに薄く切り分ける。
玉ネギは二つに切り分けてから薄切りにする。万能ネギあるいはニラは4、5センチに切る。
ボウルに、コチュジャン、砂糖、オイスターソース、しょう油、ゴマ油を入れ、さらにおろしたニンニクも加え、コショウをひき入れてタレをつくる。イカと豚肉を入れ、タレが全体によくからむように手で混ぜ合わせ、1時間ほどおいておく。
大きなフライパンや中華鍋にゴマ油とヒマワリ油huile de tournesolを半々にとって中火にかけ、玉ネギをいためる。まんべんなく油がまわったら、まず豚肉を入れ、色が変わったらイカを入れる。さらに万能ネギを加えていため合わせる。イカはいためすぎると固くなってしまうので、くれぐれも気をつけたい。最後に軽くいっておいた白ゴマを振ることにしよう。
野菜は、シイタケとかセロリとかクルジェットとかを細く切って加えてもおいしいが、あらかじめ好みの固さになるようにゆでておいてから、豚肉を入れる頃合いに混ぜ入れるといいだろう。
甘辛風味に柔らかくいため上がったイカと豚肉のおいしさに、友人たちから拍手をもらった。とにかく、ごはんがとまらない一品です。(真)
【材料 4人分】中くらいのイカ2、3杯、豚の肩肉300g、玉ネギ中1個、万能ネギ(ニラ)半束、ゴマ油、ヒマワリ油、白ゴマ適量
たれ:コチュジャン大さじ1、2杯、砂糖大さじ1杯、オイスターソース大さじ1杯、しょう油大さじ1杯、ゴマ油大さじ1杯、コショウ、ニンニク4、5片
Calamar (calmar), encornet, seiche ……

フランス語のcalamar(カラマール)もencornet(アンコルネ)もイカの総称で、日本のようにヤリイカとかスルメイカとか種類によって異なる名称はない。バスク地方ではchipiron(シピロン)、南仏ではsuppion(シュピオン)と呼ばれる。
パリの魚屋では小イカをcalamar、中イカをencornet と呼んでいることが多い。輪切りにしてからオリーブ油でさっといため、みじんに切ったニンニクとパセリをたっぷり混ぜ入れた南仏風は美味。バスク地方には、トマトや白ワインで2時間ほど煮込むencornets à la basquaise(バスク風イカの煮込み)がある。オヴニーのサイトで「小イカ」と検索すると、いろいろな料理が出てきます。
☞ 子イカのおつまみ
☞ イカ、セロリ、赤ピーマンの和えもの
墨袋がやぶれてしまって真っ黒な墨まみれのコウイカは、冷水できれいに洗ってから皮や甲 (こう)をとり、刺身にすれば、ねっとりとした甘みのあるおいしさをたのしむことができる。
Dessaler la morue

干ダラはふつう開いてあり、一尾あるいは片身を買ったら、店の人にいくつかに切り分けてもらう。
干ダラ料理は、その切り身の塩出しからはじまる。皮が上になるように大きな鍋やボウルに入れ、たっぷりと水を張り、数回水を変えながら塩出しする。以前は24時間ほどかけて塩出ししたものだが、最近の干ダラは乾燥期間が短くなっているので15時間前後でいい。塩出しが足らないと料理が塩辛くなるし、やりすぎると味わいが薄くなる。身の薄いところをかんでみて、わずかに塩味が感じられるくらいになれば塩出し完了です。
頭に近い身の厚いところは、オーブンでローストしたりするときに使われ、尾に近い身の薄いところは、ほぐしてからつかう料理向きだ。 干ダラは大きく身の厚いものほど値が張る。キロ12〜20€。
