グラフィティアートの2人組、レック&ソワトの勢いは止まるところを知らない。廃墟となったパリ郊外のショッピングセンターに入り込み、40人のグラフィティアーティストと建物全体を作品にしたことで注目を浴びた。
パレ・ド・トーキョーの館長だったジャン・ド・ロワジーから展覧会の誘いを受け、同館の非常出入り口などにグラフィティを描き、その後2年かけて、一般人の立入禁止区域で描きつづけた。この仕事をきっかけに、在ローマ・フランス・アカデミーが選抜するヴィラ・メディチのレジデンスに応募して、1年間滞在した。グラフィティ出身者として初めて選ばれるという快挙だった。
ローマでは、歴史的建造物に赤いリボン状の素材を巡らすなどの作品を作った。帰国後は、パリの地下鉄の穴を掘る巨大な円筒状の機械に描くプロジェクトを実現。機械を製造するドイツの工場で描き、フランスでは、地下鉄14号線を掘る前に描いた。機械が稼働すると作品は摩耗して消える。彼らはこうした作品をビデオや写真で残す。
「アーティストはそれまで存在していなかった道を作り、私たちが知っているものを変容させる」と前述のド・ロワジーは言う。この言葉がそのまま当てはまる2人組の初の大個展である。(羽)7/3まで
Atelier Grognard
Adresse : 6 av.de Château de Malmaison, 92500 Rueil-MalmaisonTEL : 01 4714 1163
URL : https://www.villederueil.fr/fr/latelier-grognard
入館料6€/4€ 火-日 13h-18h 金-20h