20世紀初頭の約10年間、ヨーロッパを席巻した前衛芸術運動「ダダ」が、アフリカなどの非西欧文化から大きくインスピレーションを得ていたことを見せる展覧会。
タイトルには「アフリカ」と付いているが、アジアやアメリカ先住民の文化も含まれる。日本の能面もある。ダダのアーティストが作った仮面と比べてみると、たしかに近い。ダダは1916年にチューリッヒのキャバレー・ヴォルテールで生まれた、造形芸術、文学、ダンスなどを含めた運動だった。会場は、チューリッヒとベルリンから来た写真、デッサン、絵画、彫刻などで当時の雰囲気を盛り上げている。読む部分が多く、勉強した気分になる展覧会だが、「ダダとは何か」が少しでもイメージできるから、丹念に説明を読んでみる価値はある。
トリスタン・ツァラ、ハンス・アルプ、マルセル・ヤンコといった代表的なアーティストの作品のほか、ドレスやネックレス、人形も展示し、ダダの多彩さを見せている。(羽)
2月19日まで オランジュリー美術館 火休