
Courgette ronde farcie
クルジェットには丸いものもあり、ひき肉などをつめる料理に向いている。一個が200グラム少々ある。メインの一品にすると、一人当たり1個では物足りないし、2個では多すぎたりするので、4人分で6個買ってくる。
つめる肉は、牛でも子牛でも豚肉でもいいのだが、今回は、淡白な味わいの子牛肉にした。肩肉 épaule を500グラム買ってひいてもらう。牛肉しかひかないという肉屋もいるが、そのときは、小さく切り分けてからフードプロセッサーでひくことになる。玉ネギとニンニクは細かくみじん切り。マッシュルームは小さなさいの目に切る。
フライパンにオリーブ油をとって中弱火にかけ、玉ねぎをいため、透きとおってきたらニンニクを加える。ニンニクの香りが立ったらマッシュルームを入れ、マッシュルームが柔らかくなるまでへらで混ぜ合わせていき、火から下ろす。
ボウルにひき肉、玉ネギ、ニンニク、マッシュルームを入れる。塩、コショウ、きざんだパセリ、エルブ・ド・プロヴァンス少々を振り入れ、手をつかって丁寧に練り合わせれば詰めものfarceになる。
クルジェットは洗ってから、へたから2センチほどのところを水平に切りとる。しりの方も座りがよくなるように水平に薄く切りとる。上の切り口から小さなスプーンを入れ、皮にそった身を、1センチの厚さに残しながら、種の部分の柔らかいところをえぐり出していく。
このへんでオーブンの目盛りを170°Cに合わせて点火する。
手のひらでファルスを小さな団子にしてクルジェットの底につめ、次は大きめの団子にし、残りの穴をふさぎ、こんもりとクルジェットの上に盛り上げる。パン粉を振りかけ、バターの小さなかたまりを置き、オーブン皿に並べ、熱くなっているオーブンへ。45分ほどできれいな焼き色がついたらでき上がりだ。クルジェットを焼いている間に用意したトマトソースとライスを添える。ほどほどに歯ごたえが残っているクルジェットと子牛肉の詰めものの味わいに思わずうなずくおいしさだ。ワインはロワール地方産の軽い赤がいい。(真)
【材料4人分】
丸い形のクルジェット6個、子牛の肩肉500g、玉ネギ1個、マッシュルーム150g、ニンニク3片、きざんだパセリの葉大さじ1杯、エルブ・ド・プロヴァンス少々、パン粉chapelure適量、オリーブ油、バター、塩、コショウ。
Courgette ronde

丸形のクルジェットは5月末くらいからが旬だが、もう八百屋に出回っている。おなじみの細長いクルジェットよりは、甘さが感じられるような風味がある。表面につやがあって、さわってみてしっかりとしたものを選びたい。クルジェット同様に調理できるが、その形から、中をくりぬいてさまざまなファルスをつめてオーブンで焼かれることが多い。付け合わせはバターライスやピラフ。輪切りにし、半分に切り分け、真ん中の柔らかいところをのぞき、チェリートマトといっしょにタルトやキッシュにするのもおすすめ。同じように下準備したものをオリーブ油でいため、きざんだニンニクとパセリをたっぷり散らすとうまい。
Courgette ronde au chèvre

ボウルにヤギ乳チーズ200gを入れ、フォークで細かくほぐす。今回のレシピのごとくクルジェット4個を下準備する。えぐり出した身もつかうので、小さく切り分ける。フライパンにオリーブ油をとり、みじんに切りの玉ネギ1個を軽く色がつくまでいため、えぐり出した中身を入れ、さらに5、6分いため、ヤギ乳チーズに加える。塩、コショウ、オリーブ油大さじ3杯、好みでカレー粉三つまみも加え、丁寧に混ぜ合わせる。クルジェットに盛り上げるようにつめ、粉状のエマンタルチーズを振りかける。オーブン皿に並べ、180°Cで熱くなっているオーブンに入れ、35分から40分で焼き上がる。
Fromage de chèvre

ヤギ乳のチーズがおいしい季節。3週間以上熟成されて軽い酸みをもった味わいを大いに楽しみたい。チーズ屋にはヴァランセValençay、サント・モールSainte-maure、セル・シュール・シェールSelles-sur-cherなどヤギ乳チーズの名品が熟成度もさまざまに並んでいる。つめもの用なら、スーパーで簡単に手に入る熟成度の浅いビュッシュbûche de chèvreで十分だ。
