Cordon Bleu
コルドン・ブルーという名高い料理学校があるけれど、鶏肉や七面鳥の胸肉の間に、チーズとハムをはさんで揚げたフライもコルドン・ブルーといわれている。そして、ときどき学校の給食にも出てくるくらいに子どもたちに大受けする一品だ。
スーパーなどで、すでにパン粉もついていて、揚げたりオーブンで焼くだけでいいものが売られているが、衣がカラッと揚がらなかったり、少々脂っぽかったりで、やはり自家製にはとてもかなわない。
鶏の胸肉 blanc de pouletに、チーズやハムが入るように水平に深く切れ目を入れるのだが、切り離さないように気をつけたい。これを大きめのラップに挟み、めん棒などでたたきながら厚めのところをやや平たくのばすようにする。ハムは切れ目に入るように折り曲げ、チーズは薄く切って1枚か2枚をはさむ。
ハムにマスタードを塗ったり、コショウを振りかけてもいいだろう。チーズは、値段も手ごろなエマンタールを使うのがふつうだが、コンテやラクレット用のチーズをはさむと、さらに味がよくなる。胸肉からはみ出しているハムやチーズは切りのぞく方がいい。
胸肉の表面全体に小麦粉をまぶし、余分な粉をはたき落としたら、丁寧に割りほぐしておいた卵を通し、パン粉をつける。この料理には、日本風の粗めのパン粉より、フランス風のキメの細かいパン粉の方がコルドン・ブルーらしくなる。手でパン粉をしっかり押さえつけたら、フライパンにたっぷり油をとって、中くらいの温度で揚げていき、両面にキツネ色のきれいな焼き色をつけたい。
タバスコソース少量を加えたトマトソースなどを添えてもいいけれど、さっとレモンを搾りかけながら味わうのが一番だ。そして子どもたちはやっぱり 「トマトケチャップ!」と、目が輝く。
付け合わせは、ミックスサラダやフライドポテトも悪くはないけれど、新ニンジンや、そろそろ出回ってきたグリーンピース入りのピラフはどうだろう。飲みものはビールが合うけれど、ワインというのなら、ロワール地方の軽い赤かな。(真)
4人分:鶏の胸肉4枚、ハム4枚、 チーズ適量、卵1個、パン粉適量、小麦粉適量、好みでマスタードやコショウ適量、油