Cinéma du Réelドキュメンタリー映画祭で日本の巨匠・小川紳介

小川プロ制作「三里塚」シリーズ© Courtesy du Centre culturel de l’Athénée français, Tokyo

 現在、ポンピドゥー・センターで開催中のドキュメンタリー映画祭 Cinéma du Réel

40回目の節目となる今年は、ドキュメンタリー史を語るのに、避けては通れない日本の巨匠・小川紳介と小川プロのレトロスペクティブ上映を、Jeude Paume美術館と協力して実現させた。

 小川作品は2016年までDVD化された作品がほぼなく、一般の劇場でも上映される機会が少なめであり、その名声に反して、人目に触れる機会が非常に少ない。だがこの度、小川伝説をパリで一気に体験ができる大変貴重な機会が訪れた。1960年から70年代にかけての激動の日本を知るのに、格好の素材も提供してくれるだろう。

 

小川プロ『三里塚 辺田部落』 © Courtesy du Centre culturel de l’Athénée français, Tokyo

  代表作は数多いが、学園闘争を記録した『圧殺の森高崎経済大学闘争の記録』(1967)、成田空港の建設に反対する農民運動を追った『三里塚』シリーズ(1968~77)、山形県蔵王山系の村の暮らしと自然を描き、ベルリン映画祭国際批評家連盟賞を受賞した『ニッポン国 古屋敷村』(1982)、山形県上山市牧野村の民話の再現に、自然の成長を追った記録映画を重ね構成した『1000年刻みの日時計ー牧野村物語』(1986)など。

 小川はスタッフと共同生活をしながら、長期取材で撮影対象に密着するという独特の手法で知られる。残念ながら56歳の若さで癌に倒れたが、大島渚や原一男、若い世代では、今回 Cinéma du Réel に新作『港町』を出品している想田和弘ら、多くの才能溢れる映画人に、刺激と影響を与えた稀有な存在である。さらに、世界に誇る山形国際ドキュメンタリー映画祭の発案者としても知られる。

 今回、ポンピドゥー・センターの Cinéma du Réel(4月1日まで開催)では、60年代の初期作品、続くJeu de Paume(4月3日から28日)では、70年~80年代の作品を中心に上映する。(瑞)

『三里塚 第二砦の人々』から

小川プロ『1000年刻みの日時計ー牧野村物語』 © Courtesy du Centre culturel de l’Athénée français, Tokyo

小川紳介© Courtesy du Centre Culturel de l’Athénée Français, Tokyo


Cinéma du Réel / Centre Georges Pompidou

Adresse : Place Georges-Pompidou, Paris , France
アクセス : Rambuteau/Les Halles/Hôtel de Ville
URL : blog.cinemadureel.org/2018/01/23/retrospective-ogawa-ogawa-pro/