Chez Boudou (シェ・ブドゥ)


Roi du Thieb(チェブの王様)。母親に教わった料理を多くの人に提供するようになって
ますます料理への情熱が高まったそう。
看板には、店名の横に〈チェブの王様〉とある。この店でまずは試したいのがチェブだ。チェブとは、セネガルやガンビア、モーリタニアなどの西アフリカで話されているウォロフ語で “米” のこと。料理名となると、米を魚または肉、野菜とスープで炊き込んだピラフを指す。ひきわりの小粒の米が特徴的だ。
他にもトマトの酸味にピーナツバターのコクが後を引く〈マフェ〉や、タマネギにライムの風味が爽やかな〈ヤッサ〉、ダシの効いたオクラのネバネバソース〈ゴンブドゥ〉と魅力的な料理が並ぶ。メインの料理は均一料金で、肉や魚の選択で料金が変わってくる。肉魚なしのベジタリアンは9.90€、鶏肉は11.90€という具合。どれも捨てがたかったが、看板料理のチェブの赤と白両方に、魚(14,90€)と鶏肉を組み合わせて注文してみた。私がチェブを初めて食べたのは、セネガル人の友人に連れられて訪れた、やはりセネガル人の女性がオーガナイズした自宅でのパーティだった。魚の旨味を吸い込んで炊き上げられたご飯の美味しいこと!アフリカの料理の美味しさに開眼したのはこの料理からだ。

白身魚のローストに合わせた赤チェブは、トマト風味のスープで炊かれたご飯が味わい深い。そして特筆すべきは、丸々一匹という魚の大きさと焼き加減だろう。グリルで香ばしく焼かれ、塩加減強めのそれはまさに焼き魚!日頃魚を食べる機会が少ないと嘆いている人がいたら、ぜひ食べてもらいたい。鶏肉のローストに合わせた白チェブは、トマト風味がないだけで、赤チェブ同様のおいしさ。メイン一皿では足りない人には、前菜にツナのパステル(ミニパイ)か、アクラ(タラのすり身の揚げ団子)各5.90€がおすすめ。前菜、メイン(鶏肉かベジに限る)、デザートで20€のコースもあります。
肉、魚にたっぷりかけられたシェフのバカリーさん特製のブードゥソースが、たっぷりの玉ねぎがいいアクセントで、肉と魚の美味しさをさらに引き立てている。付け合わせの揚げたプランテーションバナナのほんのりとした甘さもいい。チェブの王様、再訪決定です。(里)



Chez Boudou
Adresse : 2 bis rue de Vaucouleurs, 75011 Paris , FranceTEL : 06.3324.2479
アクセス : M° Couronnes/ Belleville
月休、火~日 : 12h-23h。
