
白い陶器の飾りが目を引くこちらのお店は昨年末にオープンしたばかりのタイ料理レストラン。メニューの冒頭にもあるように、シェフの料理の段取りに合わせて一皿一皿運ばれてくるので、順番にこだわらずシェアを楽しめる場合におすすめ。
グレープフルーツのサラダはリンゴ、カシューナッツ、エシャロットのフレーク、ミントにコリアンダーと爽やかでありつつコクもある。若鶏のフライはジューシーで、炒った唐辛子とタマリンドソースが最高の添え役を務めている。エビのグリルには、同じくエビのエミュルションソースが濃厚さを、刻み唐辛子のライム漬けが酸味をもたらして至福の一言に尽きる。コリアンダーの天ぷらが付け合わせなのも嬉しい。気がつけばすっかり満員。ボトルで頼んだアルザスのオレンジワインをお供に、夏の夕べのテラスを満喫した。



すっかり気に入ったあまり、数日後にランチも試すことに。週替わりでどんぶりが2種類(18€)。サイド(+6€)で頼んだキノコのスープはレモングラス、ガランガルなどのブイヨンにレモンの酸味、そこにキノコのラビオリ、ヒラタケのソテーも入っていてバランスが良い。サーモンか鴨か、迷った末に選んだ鴨は火の通り加減が絶妙で、ナンプラーやライムベースのソースでいただくのがなんだか新鮮。ワケギのグリルも添えてあり、鴨とネギの組み合わせに懐かしさを感じた。
どの料理も、多くの食材を緻密なバランスで調和させ、複雑なのにシンプルで、洗練された味となっている。その丁寧さは目でも口でも感じ取れるもので、それに向き合うこちらの心が不思議と静まっていくのがわかる。そんな一種の感動を覚えるタイ料理が、ここでは味わえる。(み)




Chantira
Adresse : 46 rue Daubenton, 75005 Paris , FranceTEL : 06.2692.9289
アクセス : M°Censier-Daubenton
URL : https://www.instagram.com/chantira.paris/?hl=fr
予約推奨 水〜日12h30-14h30/19h30-22h30、月火休
