(南)が推薦する12月のシャンソン。 2003-12-01 シャンソン 0 ★★★ Wally ぽっちゃりした体から発散される想像を絶するエネルギーと饒舌。ジュリエットと姉弟みたいなイメージがある髭男、ワリーのワンマン・ショーが楽しい。 無造作に積み上げられたダンボールや自ら考案した奇妙なオブジェが散らばるステージで歌う彼の姿は、決して美しいとはいえ [...]
抽象の起源。 Aux origines de l’abstraction 1800-1914 2003-12-01 アート 0 『抽象絵画の源を探る』というテーマの展覧会は、フランスではこれが初めて。 第一部では、当時の科学的発見や理論に影響を受けた、19世紀以降の光の扱いの変遷を紹介する。1810年に「色彩論」を発表したゲーテは、色彩は明暗のコントラストから生まれることを説いた。続いて1839年、 [...]
2003年度文学賞。 2003-11-15 本 0 ●ゴンクール賞 本来なら11月初めに受賞者が発表されるはずだったが、今年は100周年ということで、受賞作に先に他の賞が与えられることを恐れ、予定より2週間も先に発表された。受賞したのは、ドイツの劇作家ブレヒトの最後の愛人であり、旧東ドイツ国家保安省のスパイでもあるマリアを主人公 [...]
ジャン・コクトー展。 Jean Cocteau – Sur le fil du siecle 2003-11-01 アート 0 先日リベラシオン紙で、アーノルド・シュワルツェネッガーのカリフォルニア知事選騒動の行方を、アクション映画に見立て大いに皮肉った記事を見た。「アウトサイダー的ヒーロー(俳優シュワルツェネッガー)が並外れた野望(知事選出馬)を抱くが、数々の試練(誹謗・中傷、不利な証言)が待ち受ける [...]
(南)が推薦する11月のシャンソン。 2003-11-01 シャンソン 0 ★★ Valerie Lagrange 『青い雌馬』で映画界にデビューした女優のヴァレリー・ラグランジュは、60、70年代には『男と女』や『恋人たち 』など多くの映画に出演する一方、歌の世界でも活躍。彼女が歌ったゲンズブール作 “La Guerilla” [...]
フランスの奥地。 《Colonie》 2003-10-15 本 0 フランスの田舎で母と二人きりで暮らすレオンス。すでに60歳を超え、網膜剥離のため車も運転できないレオンス。この小説は、そんな彼の現在の物語が、彼の幼少の頃の物語と彼の父の物語と交錯して、語られる。 第一次世界大戦で負傷し、リモージュに流れ着いたレオンスの父は、その地のとある工 [...]
イメージのラディカリズム。Valie EXPORT 2003-10-01 アート 0 ヴァリー・エキスポート。オーストリア出身、1940年生まれ。おそらく映像作家でフェミニズムの流れのもっともラディカルな一人だろう。 もちろん、このアーティスト・ネームはオーストリアのタバコの名前からもじったものだ。1966年頃から活動を開始し、ウィーンのアクション・アーティス [...]
(南)が推薦する10月のシャンソン。 2003-10-01 シャンソン 0 ★★★Les Tetes Raides 6月のブッフ・デュ・ノール公演は連日満席だったテット・レッドが、評判の8枚目の新作 “Qu’est-ce qu’on se fait chier” をひっさげて、再び同劇場でジャヴァ・ロック [...]
フィクションは現実をこえられるか? 《Windows on the World》 2003-09-15 本 0 「あれ」から2年。「その」事件を扱う小説で、これが最初でも最後でもないだろうが、本書は、小説だけで700書近くが出版されるという前代未聞の今年度の新刊シーズンにおいて、おそらく最も話題にされている。そのセンセーショナルな主題はもとより、その作家も癖のある人物であることもその話題 [...]
移動すること。 Déplacements 2003-08-01 アート 0 今日、ひと・モノ・情報が絶えまなく世界を移動する事実は、空間と時間にたいする人間の知覚に大きな変化を及ぼしている。そのことに焦点をあてた展覧会が、ローランス・ボッセとハンス・ウルリッヒ・オブリストのキュレーションで企画された。 展覧会のタイトルは、イタリアの著述家クラウディオ [...]