新著紹介『黒人と白人の世界史 ― 人種はいかにつくられてきたか』 2022-01-06 本 0 2020年5月の米テキサス州のジョージ・フロイド事件をきっかけに、ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動が全米に広がり、世界各地に飛び火したとき、私はなぜ人種差別が21世紀になってもなくならないのか、そもそも人種差別はどのようにして生まれたのかと考えていた。ちょうどそのとき、 [...]
よむたび。今年のゴンクール賞を読む。〈30〉ヨーロッパ〜アフリカ〜カリブ海 2021-12-08 本 0連載コラム 『人々の最も秘められた記憶(仮題)』 モハメド・ムブガル・サール著Philippe Rey/Jimsaan刊2021年 今年度のゴンクール賞は、セネガル出身の弱冠31歳、モハメド・ムブガル・サール氏の『人々の最も秘められた記憶 (La plus secrète mémoire [...]
Delgrès“4 èd maten (4:00 Am)” 2021-11-04 音楽 0 デルグレスの2枚目のアルバムだ。グループ名は、1802年、グアドループ独立と奴隷制廃止のためにナポレオンが派遣した軍と戦った英雄ルイ・デルグレスに由来。肝心の音楽の方は?クレオール語で歌われるタイトル曲*から聴いてみよう。 「4 èd maten(朝4時だ)/Ou ja déh [...]
[CD] 5世紀の年月を超えて ー ジョスカン・デ=プレの音楽 2021-10-21 音楽 0 Stile Antico “The Golden Renaissance : Josquin des Prez” ちょうど500年前に亡くなった作曲家ジョスカンがつくった音楽は、どんなふうにぼくらに響くのか? ルネサンス盛期を代表する作曲家ジョスカン・デ・プレはフランス北部に生 [...]
A・ポッターが歌う、、ヴィヴァルディ“Nisi Dominus” 2021-09-20 音楽 0パリ8区 Alex Potter “Nisi Dominus” バロック音楽の作曲家ヴィヴァルディは、600曲以上の協奏曲や50曲以上のオペラなど、親しみやすく美しい旋律にかけては他を寄せつけなかった。カトリック教会の司祭でもあっただけに、『グローリア』、『スターバト・マーテル』といっ [...]
CD |Jacob Desvarieux “Yelele” 2021-09-12 音楽 0 80年代はじめ、カリブ海に浮かぶグアドループ島から「ズーク」という名の強力ハリケーンがフランス本土に上陸する。ズークは、クレオール語の民謡やグアドループ特有のグウォ・カという太鼓のリズム、アフロキューバンやロックやソウルなどがフージョンした音楽だ。そのハリケーンの目が1979年 [...]
知られざるデュフィに出会う、「デュフィとパリ」展。 2021-08-09 アート芸術 0日曜営業パリ18区 デュフィ展はさんざん見てきた、と思っている人も、モンマルトル美術館の本展で「こんなデュフィは見たことがない」と感じるのではないだろうか。実は(羽)もその一人。故郷ノルマンディーの海辺の町を描いた風景画で知られているが、ここにはパリを扱った作品しかない。 ラウル・デュフィ(187 [...]
ジャドラン・ダンカム奏でるバッハのリュート曲集を聴く。 2021-08-06 音楽 0 Jadran Duncumb“J.S.Bach-Works for Lute” 夜がふけて、リュートの音楽を聴くと、疲れがスッとひいて、心におだやかさが戻ってくる。リュートは、ギター同様に撥(はつ)弦楽器で、ルネサンス時代には独奏あるいは独唱曲の伴奏として活躍。バロックになって [...]
この夏、サン=サーンスを聴く。 2021-07-30 展覧会コンサート音楽イベント 0特集記事読者プレゼント 19世紀のスーパースター、サン=サーンス没後100年 2021 – Le centenaire de la disparition de Camille Saint-Saëns (1835 – 1921) サン=サーンスは19世紀のマイケル・ジャクソン」と、サン= [...]
ゴッホ遺作「木の根」場所断定の写真。 2021-07-29 アートパリから行ける街 0散策 昨年、画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(1853年3月30日 – 1890年7月29日)が自殺をはかる数時間前に描いた「木の根と幹」の場所が確定されたことが話題になった。ゴッホ・インスティチュートの研究者ヴァウター・ヴァン・デア・ベーンさんがロックダウン中に、「木の根 [...]