天性のシュルレアリスト。 2013-03-01 アート 0 11月から開催中のダリ展は、ポンピドゥセンターが開館時間を延長するほどの盛況ぶりだ。才能も世俗的な部分も含め、サルヴァドール・ダリ(1904-89)の全ぼうが見られる。「ダリってこんな人だったの」とびっくりする人も多いだろう。 10代の作品を見ると、ダリも普通の絵を書いていた [...]
コレクターの価値観が明確。 2013-02-01 アート 0 アメリカ人写真家で、ニューヨークで画廊を経営するハワード・グリーンバーグは、写真のコレクターでもある。彼の未公開の個人コレクションから本人が選んだ作品を展示したのがこの展覧会だ。 散逸したコレクションの再現は別として、コレクションの展覧会は一カ所からまとめて借りてくればよい [...]
スーティン、混沌の中の秩序。 2012-12-01 アート 0 小粒ながらおすすめしたいのが、オランジュリー美術館で開催中のスーティン展だ。あちこちで少しずつ見てきて、いまさらスーティンなんぞ、と思っていたが、このようにテーマ別にまとまって展示されたものを見ると、彼の天才性に改めて衝撃を受ける。 ハイム・スーティン (1893-1943) [...]
不思議な光の効果…。 2012-10-31 アート 0 エドワード・ホッパー(1882-1967)のフランス初の大回顧展だ。ほとんどの作品がアメリカの美術館からの貸し出しで、フランスでこれほど多くのホッパーが見られることはまずない。この秋、パリ美術界の最大の収穫である。どのようにしてホッパー独自の作風にたどりつき、「ホッパーになった [...]
肖像画が素晴らしい。 2012-10-03 アート 0 ベルギー王立美術館に所蔵されているバロック期のフランドルの主要な画家たちを網羅した展覧会だ。小ぢんまりしているが、面白い作品がいくつかある。歴史画、肖像画、風俗画、風景画、静物画と、ジャンル別に展示してある。中でも素晴らしいのが肖像画だ。 ルーベンスとコルネリス・フォン・フ [...]
芸術のごろつき団。 2012-08-30 アート 0 モンマルトルにあるアール・ブリュットの美術館が、イギリスのアウトサイダー・アート、大好評だった日本のアール・ブリュットに続き、19世紀後半から現代に至るイタリアのアール・ブリュットと民衆芸術展を企画した。 正規の美術教育を受けなかった人が、世間から認知されることを考えずに自発 [...]
ミシア、パリの女王。 2012-08-03 アート 0 1900年前後から1920年代まで、芸術家のメセナ、友人としてパリの芸術界に君臨したロシア生まれのポーランド人、ミシア(1872-1950)を中心に、彼女と親交があった芸術家の作品を、音楽、美術、文学と幅広く紹介する展覧会だ。彫刻家の娘で、フォーレからピアノを学ぶほど芸術的環境 [...]
マティス、地道な努力の人。 2012-06-01 アート 0 「完成時に何が得られるかが、制作の初めからわかっていなければならない」と いう「スタイン家の冒険」展(本紙2011年12月1日号)で見たマティスの言葉を、ホントかな?と思っていた。というのは、前に描いた線が消されているのがわかる絵がたくさんあるからだ。試行錯誤しながら [...]
野蛮の発明。 “L’Invention du Sauvage” 2012-04-03 アート 0 自分と異なる者への差別について、見る人に多くの疑問を投げかける力のこもった展覧会である。元サッカー選手で、自らの名を冠した財団を作って差別をなくす運動を行っているリリアン・テュラム、長年「人間動物園」と植民地主義を研究してきた歴史学者のパスカル・ブランシャール、ケ・ブランリー美 [...]
ダンスが主で、視覚芸術が従になっている展覧会だ。 2012-03-03 アート 0 1900年から現代にいたるまでの視覚芸術とダンスの相互の影響を見せる展覧会だが、ダンスが主で、視覚芸術が従になっている。美術に興味がある人には物足りないかもしれないが、ダンスの傑作や伝説的な作品が一挙に見られるので、今月のおすすめとしたい。気に入った作品を全部見ていると、楽に4 [...]