ユゴ―の食風景 -2- 2014-07-26 ノルマンディーの作家と食 他 0 共和主義者だったヴィクトル・ユゴーは、ナポレオン3世のクーデターに反対したために19年の亡命生活を送ることになった。国を追われるはめになったユゴーだったけれど、その内面はそれまでになく平和で落ち着いていたという。 『レ・ミゼラブル』の中に「いまわれわれが生きている [...]
日曜のお昼に招かれたら季節の果物のタルトを持って… 2014-07-09 ノルマンディーの作家と食 他 0 向かいに住んでいたジャン・クロードさんを、よく日曜のお昼に招いたのだが、すると、「では、ボクはデザートを作って持って行くよ」と言って、時にはサクランボのタルト、時にはスモモのタルト、時にはリンゴのタルトと、季節の果物が入ったタルトを持って来てくれた。それも、カスタードクリームや [...]
ユゴ―の食風景 ① 2014-06-26 ノルマンディーの作家と食 他 0 ヴィクトル・ユゴーが生きた19世紀のフランスは、美食の地として輝いていた。18世紀末のフランス革命後、仕事を失った王侯貴族のお抱えシェフたちが街中にレストランを開業。革命後に金と権力を得たブルジョワたちは、そんなシェフが腕をふるうレストランにこぞって出かけ、食の楽し [...]
いい魚屋かどうかは、サバを見て決める。 2014-06-09 ノルマンディーの作家と食 他 0 いい魚屋を見つけるのにはどうしたらいいのだろう。活きのいい魚を売っているかどうかは、まず店自体が魚臭くないかどうかで判断。さらに腐りが早いサバのような青魚の眼が、赤く濁ってなくキラキラしていて、胴が盛り上がっていること、などが目印だ。ボクの通う魚屋では、サバがまだ死後硬直の状態 [...]
デュマ、食の物語 -13- 2014-05-20 ノルマンディーの作家と食 他 0 アレクサンドル・デュマの遺作は、死後の1872年に発行された『デュマの大料理事典』だった。世界に知られる大作家がこの作品の構想を思いついたのは1858年のこと。自身が創刊した「モンテ・クリスト」紙で料理本を執筆することを宣言し、台所にまつわる思い出話を披露している。 [...]
料理の本●稲葉由紀子『おいしいフランス おいしいパリ』 2014-05-12 ノルマンディーの作家と食 他 0 テレビで『トップシェフ』という料理番組がヒットしているせいか、パリのレストランの料理が逆に画一化している気がする。はやりの店では、どこでも「yuzu」を使い、少量の料理をどうやって食べていいのか迷うほどに高く積み上げている。そんな時に食べたくなるのが、おなかがいっぱいになる量を [...]
フォブール・サンドニ通りのインド街でトリップする! 2014-05-03 ノルマンディーの作家と食 他 0 パリ10区にあるフォブール・サンドニ通りRue du Faubourg Saint-Denisの、北駅から地下鉄ラ・シャペルLa Chapelle駅にかけてが、すっかりインド街になっている。多数のインドレストラン、色とりどりのサリーや結婚衣装、金の装身具などを売る店、そして数々 [...]
デュマ、食の物語 -12- 2014-04-15 ノルマンディーの作家と食 他 0 『四十五人』(1847年)は、アレクサンドル・デュマが物した宗教戦争3部作の最後を飾る歴史小説。前作ですでにお馴染みの登場人物が現れ、読者はまるで昔の友人に会ったかのような気持ちで読み進める。この作品中で、以前にも増して食の喜びを追求しているのが、よく肥えたゴランフロ修道士。「も [...]
デュマ、食の物語 -11- 2014-03-22 ノルマンディーの作家と食 他 0 デュマが歴史家のオーギュスト・マケと執筆した『王妃マルゴ』、『モンソローの奥方』、『四十五人』は、フランス16世紀後半が舞台の三部作。モンソロー夫人をめぐるラブストーリーに復しゅう劇が絡み合い、情熱あふれるヒューマンドラマに夢中になっているうちに、その時代のフランスがごく身近に [...]
ベルヴィル街はマグレブ系のレストランだけだった! 2014-03-08 ノルマンディーの作家と食 他 0 1977年、ベルヴィルに住み始めた。中華街の影も形もなく、交差点のところには巨大な空き地が広がっていた。マグレブ系レストランは多かったが、中華レストランは一軒だけ。出てくるものといったら、エビ料理はケチャップの甘味だけが残り、鶏にも、薄味のどろりとしたソースがかかっていた。当時 [...]