『淵に立つ』(仏題 HARMONIUM) 深田晃司監督インタビュー 2017-01-09 舞台・映画 0インタビュー 孤独は関係性の先にある。 町工場を営む夫婦の利雄(古館寛治)と章江(筒井真理子)、小学生の娘が暮らす平凡な一家。そこに利雄の知り合いで、刑期を終え出所したばかりのワケあり男・八坂(浅野忠信)が、彼らの生活に入り込む。闖入者の登場は、平穏に見えた家族に残酷な傷跡を残す。 身近な家族 [...]
『 Paterson』たゆたう時間のなかのポエジー。 2016-12-19 舞台・映画 0 朝陽の差し込むベッドで抱き合って寝ている男と女。目覚まし時計で時間を確かめ起き上がる男。その彼の朝のしきたりを追う。そこに男の声がオフで被って、いま擦ったマッチが世界最高のマッチであるという話が入る。男の名前はパターソン、ニュージャージー州の小都市、パターソンのバス・ドライバーだ [...]
鑑賞者の想像を超えてくる『 L’Ornithologue 鳥類学者』 2016-12-06 舞台・映画 0 ピュアな驚きに満ちた傑作。「予備知識ゼロ」で出会ってほしいが、全くイメージが沸かない作品は鑑賞の選択肢にも入らないと思うので、やはりここで紹介したい。 渓谷を走る深緑の大河。フェルナンド(ポール・アミー)は、黒いコウノトリを観察する鳥類学者だ。鳥を双眼鏡で追ううち、急流にカヌーご [...]
『Tour de France』 2016-11-17 舞台・映画 0 『Tour de France / ツール・ド・フランス』といっても自転車ロードレースの映画ではありません。フランスを一周しないまでも大西洋岸から地中海岸まで港町を旅するロード・ムーヴィー、かと言って、のどかなだけの映画でもありません。 人気ラッパー、ファウークは地元の仲間 [...]
闘う巨匠のブレない社会派ぶり 2016-11-04 舞台・映画 0 『 Moi, Daniel Blake 』 ダニエルは、やもめ暮らしの木工職人。心臓病でドクターストップがかかり、福祉当局に足を運んだ。「50メートル歩けますか?」「ポケットに物を入れられますか?」。杓子定規の質問に答えるが、結局は障害者とも失業者とも認定されない。これが善良な [...]
僕の人生、ズッキーニ 2016-10-16 舞台・映画 0 『 MA VIE DE COURGETTE 』 幕開けから良い映画の予感がする。一人の少年が夕陽が差し込む屋根裏部屋の床で絵を描いているシーンだ。もうそれだけで、この少年の孤独を感じさせる名場面だ。 クロード・バラ監督 『MA VIE DE COURGETTE / 僕の人生、 [...]
海は燃えている 2016-10-06 舞台・映画 0 ~イタリア最南端の小さな島~ Fuocoammare, par-delà Lampedusa 『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』でヴェネチア映画祭金獅子賞、本作『Fuocoammare』でベルリン映画祭金熊賞を受賞。ジャンフランコ・ロージは世界三大映画祭制覇にリーチがかかるド [...]
« 恐るべき子供 »の無関心ではいられぬ一本 2016-09-17 舞台・映画 0 『 Juste la fin du monde 』 『Mommy / マミー』の衝撃から2年、 “ケベックの恐るべき子供”グザヴィエ・ドラン監督の最新作だ。本作はカンヌ映画祭でお披露目された際、高過ぎる期待が負荷にもなったのか、ジャーナリストの評価は否定派が目立っていた。その一方 [...]
『Voir du pays』フランス人姉妹監督による戦争映画。 2016-09-06 舞台・映画 0 コーエン、ダルデンヌ、タヴィアーニと、巷には有名な“兄弟”監督は多い。だがフランス人デルフィーヌ&ミュリエル・クランは珍しい“姉妹”の監督コンビだ。初長編の前作『17 filles』では集団妊娠を企てた女子高生を描き話題に。5年ぶりの新作もまた “女性性”がキーワード。主人公はふ [...]
掴みどころのなさが人生そのもの『Toni Erdmann』。 2016-08-17 舞台・映画 0 映画業界誌の星取表でトップを独走し、誰もが受賞を信じた。2016年のカンヌ映画祭「裏・パルムドール(最高賞)」と呼べそうな映画『Toni Erdmann』。ドイツ人マレーン・アーデ監督の長編三作目だ。 [...]