『CENTAURE 馬を放つ』移り変わる社会への告発。 2018-02-05 舞台・映画 0 中央アジアのキルギス。「馬は人間の翼だった」という言葉を残す、騎馬民族末裔の国である。優男ケンタウロスは、ろうあ者の妻と幼い息子とともに、慎ましくも平和に暮らしている。5歳の息子に、馬の伝説を嬉々として伝える様子はなんとも微笑ましい。彼には裏の顔がある。深夜に村人の馬小屋へ忍び込 [...]
映画『OH LUCY!』 平柳敦子監督インタビュー 2018-01-26 舞台・映画 0インタビュー フランス風に言えば「メトロ、ブロ、ドド(地下鉄、仕事、睡眠)」。それが、東京で暮らすアラフォーの独身OL・節子(寺島しのぶ)の日常だ。ある日、姪っ子から頼まれ、英会話教室に参加する。そこで待ちうけていたのは、アメリカ人講師ジョン(ジョシュ・ハートネット)。一風変わったアメリカンな [...]
監督の「懲りない性分」を感じる映画。『 Seule sur la plage la nuit』 2018-01-19 舞台・映画 0 「映画はテーマより、その語り方だ」。確かに、問題意識をもって最新の社会政治問題をテーマに据える映画もある一方で、人間関係、青春、恋愛、生死といった人間の永遠のテーマは、全ての芸術分野で飽くことなく、人間の歴史と同じ分だけ繰り返し、テーマとされている。確かに、語り方につきる。その語 [...]
怪優と諏訪監督との出会いから始まった映画。 2018-01-02 舞台・映画 0 『ライオンは今夜死ぬ』映画製作は長距離走だ。1月3日公開の諏訪敦彦監督『ライオンは今夜死ぬ/Le lion est mort ce soir』は、 2012年秋のジャン=ピエール・レオと監督の出会いが起源だ。 [...]
『12 jours』社会から隔離される言葉。 2017-12-05 舞台・映画 0 『12 jours』 よく磨かれた床、無機質な白い壁。カメラは滑るように廊下を進む。ここはリヨンの精神科病院。密室で患者と判事の面談が始まる。フランスでは2013年の法改正により、強制入院させられた精神病患者は、拘束されてから12日目を迎えるまで、外部の判事と面会をする。強制入院 [...]
『Bangkok Nites』邦画のスケールをはるかに凌駕。 2017-11-15 舞台・映画 0 数年前、『サウダーヂ』という映画に衝撃を受けた。そこには私の知らない日本が、予想だにしなかった日本が描き出されていた。過疎化した山梨県甲府市周辺、シャッター通り、そこに生きる若者たち、ブラジルや東南アジアからの移民たち、鬱屈(うっくつ)するエネルギー、彼らの、いや21世紀の今日を [...]
優しく残酷、幻想的で現実的。『Corps et Âme』 2017-11-02 舞台・映画 0 『Corps et Âme』 雪化粧した森の奥深く、二頭の鹿が大地に立つ。それは夢のように美しい風景。だが実際、これは夢なのだ。見とれていると、非情にも人間界の映像に切り替わる。主人公はふたりの男女。食肉加工工場ディレクターのエンドレと、品質管理担当者のマリア。ふたりはある事 [...]
芯があって素直な主人公が成長する姿に、共感がわく。 2017-10-18 舞台・映画 0 『 Tous les rêves du monde 』 今を去ること20余年前『 Les gens normaux n'ont rien d'exceptionnel/おせっかいな天使 』という映画との出会いは、筆者の個人映画史になにがしかを刻んだ。 [...]
Kein Licht「光のない。」ポスト・フクシマのオペラ。 2017-10-13 舞台・映画音楽 0 10月18日(水)〜22日(日) ノーベル文学賞作家、エルフリーデ・イェリネクが福島の原発事故後に書いた戯曲「KeinLicht-光のない。」をフィリップ・マヌリがオペラ化(厳密にはオペラではなくマヌリが提唱する新ジャンル "Thinkspiel")。生楽器/電子音楽、セリ [...]
『Téhéran Tabou』実写で撮影不可能なイランの暗部 2017-10-03 舞台・映画 0 『 Téhéran Tabou 』 イスラエル人アリ・フォルマン監督の『戦場でワルツを』(08)を覚えているだろうか。「アニメのドキュメンタリー」という野心的な試みに驚いた人も多かろう。先のカンヌ映画祭批評家週間で紹介された『Téhéran Tabou』もまた、アニメの可能性 [...]