5区のこのアルゼンチン料理のレストランは、かつてインテリ層や社会学者たちが夜な夜な集まり討論を交わす様子が収録され、France Cultureのラジオ番組で放送されていた。そんな活動はなくなってしまった今でも、あの頃の熱い議論を懐かしむ人は少なくない。
ランチメニューのお値打ちぶりには目を見張るものがある。ソーセージのグリルにサラダとアボカドのピュレ、ワカモレのセットChoripaltaは8€。カフェまで付いてこの値段だからすごい。おなじみ、包み揚げのエンパナーダが2個にサラダとカフェのEmpanada Expressは8.75€、エンパナーダ1個にソーセージとサラダにカフェのLa Gauchaは9€だ。ソーセージはしっかりと焼かれ、身が締まっていてちっとも脂っこくなく、噛みしめるほどに味わい深い。エンパナーダはスパイシービーフ、ツナとハラペーニョ唐辛子など、肉魚ものが9種類、チーズ入りが5種類に、ベジタリアンが7種類と豊富で、好きに選べて追加もできる(単品3.5€)。
ベジタリアンの具では、現地でこよなく愛されるトウモロコシのピュレの入ったHumitaが童心に返るやさしい味でおすすめだ。そして、ランプ肉のステーキにサラダとカフェのセットが14€とは驚き。名声を馳せるアルゼンチン牛はこんな値段ではなかなかお目にかかれない。他に、17時から21時までのハッピーアワーには、タパス2種類にアルゼンチンのQuilmesビールで7€、カクテルを合わせると10€のサービスも行っている。
店内にはエピスリーのコーナーもあり、アルゼンチンを代表する品種マルベック種を使ったワインの数々やビール、液状のミルクキャラメル、ドゥルセ・デ・レチェなどが揃う。そしてアルゼンチンを筆頭に南米で愛飲され、その栄養の高さから「飲むサラダ」とも言われるマテ茶も購入できる。(み)
Café EL SUR
Adresse : 35 boulevard Saint-Germain, 75005 ParisTEL : 01.4325.5828
アクセス : M° Maubert-Mutualité
月~土 10h-22h (月土夜のみ)、日休