Exposition – Artemisia, Héroïne de l’art

Budapest, Szépművészeti Múzeum / Museum of Fine Arts
Photograph Szépművészeti Múzeum/ Museum of Fine Arts, Budapest, 2025
17世紀イタリアの画家、アルテミジア・ジェンティレスキ(1593-1656)は、欧州の宮廷や上流社会でその才能を高く評価され、大成功を収めていたが、18世紀末以降、忘れられた。1970年代にフェミニストから再評価され、近年はMeTooの高まりの中で、彼女が受けた性暴力と作品の関連が注目されている。
父が画家という恵まれた環境のもと、ローマで生まれ、父から絵の技法を習った。1611年、遠近法の指導をしていた父の友人の画家アゴスティーノ・タッシから強姦され、翌年起訴。タッシには実刑判決が下ったが、ローマ教皇が庇護したため、刑は執行されなかった。実質的には勝訴したものの、屈辱的な結果で後味が悪い。父は判決の1ヶ月後、娘をフィレンツェ在住の別の画家と結婚させた。
アルテミジアはフィレンツェで文化人と交流し、教養を高め、人脈を築いていった、父とカラヴァッジオの影響を受け、聖書の世界を大胆な構図で描いた。その中には強姦事件を想起させるテーマがいくつもある。老人二人が水浴中の若い女性を覗き見する「スザンナと長老たち」。覗かれたスザンナは顔を背けて拒否の態度を表している。

Huile sur toile, 170 x 121 cm, Pommersfelden, Kunstsammlungen Graf von Schönborn
crédit : akg-images / MPortfolio / Electa
展覧会場にあるのは事件の1年前の作品だが、この題材で晩年まであと2点描いている。眠っている将軍シセラの頭にヤエルが平然と杭を打ち込む 「ヤエルとシセラ」ではヤエルの表情に全く迷いがない(冒頭の作品)。ホロフェルネスの首を切った後のユディトと、首を入れた桶を持った侍女を表した「ユディトとその侍女」からは、二人の共謀者の親密さと実行後の緊張感が伝わる。
いずれも強姦の加害者への報復を絵で表したと解釈することができる作品だ。会場にある自画像は、リュート奏者に扮したもので、アルテミジアの意志の強さが感じられる。8月3日まで。(羽)

H. Schwartz Endowment Fund
crédit : Allen Phillips/Wadsworth Atheneum

Musée Jacquemart-André
Adresse : 158 bd Haussmann, 75008 Paris , Franceアクセス : M°Miromesnil
URL : https://presse.culturespaces.com/artemisia-gentileschi-heroine-de-l-art?lang=fra
無休。月〜木 : 10h-18h、金10h-22h、土日10h-19h。 入場料:18€/17€/7-25歳は9.5€。
