Albert Renger-Patzsch : Les choses  「物」

Catasetum trindentatum, Orchidaceae, 1922-1920
©Albert Renger-Patzsch / Archiv Ann und Jürgen Wilde, Zülpich / ADAGP, Paris 2017

アルベルト・レンガー=パッチュ(1897-1966)は、芸術運動「新即物主義」 の代表的写真家だ。表現主義への反動から、実験的なものを排し、物や現実をリアルに、即物的に捉えようとした運動で、2つの大戦間にドイツで生まれた。しかしレンガー=パッチュの写真には、一時期の芸術運動の枠に収まらない、初期から晩年までの一貫した精神が感じられる。

バイエルン地方に生まれ、ドレスデン大学で化学を専攻したが、写真に専念するため学業を放棄した。その後フリーの写真家として、工業製品の写真、建築写真、植物の写真などで活躍した。1928年に出版した写真集「世界は美しい」は高い評価を得た。この言葉が、一生を通じたレンガー=パッチュの考えを表している。ランの花びらは鋼鉄のように輝き、圧倒的な存在感で目の前に現れる。縦に並んだ工業用アイロン、晩年に撮った雪景色の森にすくっと立つ木々、まるまったヘビ…、レンガー=パッチュは人が作った物にも自然にも、同じ態度で接している。目に感覚と神経を極度に集中させて切り取った現実は神々しいほど美しい。写真家の自我はまったく前に出ていない。「世界は美しい」ことを伝える触媒が彼の役割であったかのようだ。(羽)

1月21日まで 月休、水〜日11h-19h、 火は21hまで。


Jeu de Paume

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チュイルリー公園内