これからしばらく、フランス語のレシピを読む時に知っておきたい料理用語を、abcd順に紹介。
A
● abaisser
「abaissez la pâte」などと出てきます。パイ用の各種生地を、めん棒rouleau à pâtisserieを使って伸ばして、好みの形、厚さにすること。生地を冷蔵庫で寝かせておく場合は、30分から1時間ほど前に出して柔かくしておかないと、めん棒で伸ばす時にひびができやすい。作業台やテーブルに軽く小麦粉を打ってから,作業開始です。慣れない時は、最初は手のひらで押しながら、円形なら円形と、だいたいの形にすると失敗しにくい。
● à couvert/à découvert
「faites cuire à couvert」とあったら、煮込み料理などで、フタをして火を通していくこと。その逆にフタをしないで火を通す時は「à découvert」。
● adoucir
でき上がった料理の苦味amertumeや酸味aciditéが強い時に、水eau、ブイヨンbouillon、バターbeurre、生クリームcrême fraîche、砂糖sucreなどを加えて味をやわらかくすること。
● aigre-doux
「甘酸っぱい」という意味。甘酸っぱいリンゴなら「pomme aigre-douce」となる。カモ肉には「甘酸っぱいソース sauce aigre-douce」が合う。
● ailler
「ail」はニンニク。「ailler un gigot」だったら、子羊などのもも肉に、細く切ったニンニクを差し込むこと。「ailler une tranche de pain」なら、パンの薄切りにニンニクをこすりつけること。
● allonger
水やブイヨン、ワインなどの液体を足して、味を柔らかくすること。カフェで「Un caf? allong?, svp!」と頼むと、薄めのエスプレッソが出てくる。
● amuse-bouche/amuse-gueule
どちらも「口を楽しませるもの」といった意味で、アペリチフと一緒に出される軽いオードブル、おつまみのこと。
● à l’anglaise
「Cuire à l’anglaise(英国風に調理する)」というのは、主に野菜、時には魚や肉を、ダシなどを使わずただ単に水で煮ること。英国人の料理に対する、軽べつ的なニュアンスがあるのかな。
● aplatir
aplatisseurとかattendrisseurと呼ばれる道具を使って(なかったらめん棒やワインの空瓶で代用)肉の切り身をたたき、厚さを一定にしたり薄くしたりすると同時に肉を柔らかくし、それぞれの調理法のために下準備すること。ウインナーシュニッツェルを作る場合は、子牛肉の切り身を丹念にたたいて、2倍以上の広さになるように薄くする。
● appareil
オーブンなどで火を通す前に、卵、牛乳、生クリーム、小麦粉、スパイスなどを混ぜ合わせたもののこと。appareil à souffléならスフレ用のもの、 appareil à crême caramelならカスタードプリン用。
● arroser
スプーンや小さなお玉を使って、オーブンなどで焼いている肉のかたまりや魚に、脂(油)や煮汁をかけ回すこと。これを繰り返すことによって、焼き上がりがしっとりする。
● assaisonner
塩やコショウ、スパイスなどを加えて味をつけること。もちろん入れ過ぎは、取り返しがきかないので禁物。控えめにしておいて、最後に調整です。
B
● bain-marie
bain-marieは湯せんにかけること。「cuire au bain-marie(湯せんにかけて調理する)」のような形でレシピに出てきます。カスタードプリン、小さなココット入り半熟卵œuf en cocote、テリーヌなどデリケートな火加減を必要とする時の調理法です。
● barder
薄く切った豚脂をbardeといい、barderというのは肉のかたまりをローストする時に、焼き上がりがぱさぱさにならないようにこのbarde を巻いて、糸で結わえる作業のこと。ふつう肉屋がやってくれるが、焼く前にワイン等でマリネする時は、予めこの豚脂をもらっておいて,マリネが終わってから自分で巻きましょう。また肉が焼き上がる15分ほど前にこのbarde をはずすこと。全体にきれいな焼き色をつけるためです。
● battre
「battre la viande」だったら、肉の切り身を、厚さが均等になって、かつ柔らかくなるように専用の肉たたきやすりこぎなどで肉をたたくこと。「battre des blancs d’œufs en neige」なら、卵白を泡雪状に泡立てること。
● beurrer
beurreはバター。beurrerはタルトの型などにバターを薄く塗ること。「beurrer le fond d’un moule(型の底にバターを塗る)」などとレシピに出てくる。tartine beurréeは、朝食などにとる、バゲットパンなどを二つに割ってバターを塗ったもの。
● blanc
fond blancは、子牛やチキンの肉や骨をベースに作った、澄んだダシ。roux blancは白色ルー。sauce blancheはホワイトソース。viandes blanchesは、各種鳥肉、ウサギ肉、子牛肉、豚肉など色の薄い肉のこと。牛肉のような赤い肉viandes rouges同様にタンパク質や鉄分豊富だが、脂肪分が少ない。調理中にフォークで刺すと、赤肉は肉汁がにじみ出てくるが、viandes blanches はその心配がないとされる。以上は「白い」という形容詞だが、もちろん「白」という名詞もある。blanc d’œufは卵の白身、blanc de poireauはネギの白い部分。blanc de pouletはチキンのささ身。「cuire la pâte à blanc」とレシピにあったら、イチゴのタルトの時のようにパイ生地をから焼きすること。
● blanchir
料理用語で「blanchir 白くする」は、カスタードクリームやケーキなどを作るときに、卵の黄身と砂糖、あるいはポマード状になっているバターと砂糖を、泡立て器や木のヘラなどを使って、少々白っぽくなるまで勢いよく攪拌(かくはん)すること。「blanchir」のもう一つの意味は、アクをとったり、余分なでんぷん質や塩をのぞいたり、野菜の赤や緑の色を鮮やかに保つために、食材を下ゆですること。
● bleu
「Comment la cuisson?」とステーキの焼き加減を聞かれ「Bleu」と答える人がいる。「saignant レア」よりさらに生焼け状態のステーキのこと。「Bleu de Gex」ならジェックス産のブルーチーズ。「Truite au bleu」というのは、捕ったばかりのニジマスを、ビネガー入りクール・ブイヨンでさっとゆでる一品。魚のぬめりが青味がかるので、この名がついた。
● blondir
炒めたりオーブンで焼いたりして、食材にキツネ色の焼き色をつけること。「Faire blondir au beurre deux oignons hachés(みじんに切ったタマネギ2個をバターでキツネ色に炒める)」などと使われる。
● bouillir
水やだし汁の中で食材を煮ていくこと。
● bouillon
牛肉やトリ肉、野菜などの煮汁のこと。これをベースにスープやソースが作られる。スーパーでは水に溶くだけでいい「bouillon cube」というコンソメキューブが売られている。「bouillon de volaille(チキン風味ブイヨン)」や「bouillon de bœuf(牛肉風味ブイヨン)」などの種類がある。
● braiser
きちんとフタができるココット鍋などに肉や野菜を入れ、少量の液体を加え、弱火でじっくりと蒸し煮する調理法のこと。肉の場合、ココット鍋の中で、まず少量の油やラードで炒めてから、野菜やブーケガルニを加え、タレやワインあるいは水などを少量加えてフタをし、蒸し煮していく。魚の場合はあらかじめ炒めることはしない。レストランのメニューに「bœuf braisé」とか「endives braisées」と出ていたら、牛肉やアンディーヴなどをじっくりとブレゼしたものだ。「bœuf à la mode」や「bœuf en daube」にもこの調理法が用いられる。
● brider
チキンなどを、調理中にバラバラにならないように、もも、手羽と料理用の糸で縫いつなぐこと。この作業に使われるしっかりとした長い針は「aiguille à brider」という。 ●brouiller 「brouiller」は「かき混ぜる、ごちゃごちゃにする」という意味の動詞。そこで「oeuf brouill?」はスクランブルエッグのこと。ちなみに目玉焼きは「oeuf sur le plat」。半熟卵は「oeuf à la coque」。
● brun
「brun」は「茶褐色の」という意味の形容詞。「fond brun」というのは、子牛などの肉と骨をオーブンで焼き色を付けてから作られる褐色のダシ。「roux brun」は褐色のルーで、「sauce brune」と呼ばれるブラウンソースのベースになる。
● brunoise
主に野菜を3〜5ミリ角の、ごく細かなみじん切りにすること。そのまま炒めて付け合わせにしたり、料理やソースの香り付けに使われる。「tailler des carottes en brunoise」なら、ニンジンをブリュノワーズに切ること。
C
● canapé
「canapé」は「ソファー」のことだけれど、料理用語では、小さく切り分けた食パンやブリオッシュの薄切りに、さまざまなものをのせたオードブル、カナッペのこと。「caille sur canapé」は、ローストしたウズラ一羽をトーストした食パンにのせた一品。
● canneler
「canneler」は、レモンやオレンジの皮、ニンジンやマッシュルームの表面に、縦溝を飾り用として入れること。「canneleur」は溝切り用の専用ナイフ。
● caramel
砂糖に水少々を加え煮つめていくと、150度から170度まで、温度により薄い茶色から濃い茶褐色までの「caramel カラメル」に変化する。色の薄いカラメルcaramel clairは、型に塗ったり、プリンやクリームの香り付けに。褐色のカラメルcaramel brunはブイヨンやソースの着色剤として貴重だ。動詞は「caraméliser」。「faire caraméliser du sucre 砂糖をカラメルにする」。「caraméliser un moule 型にカラメルを塗る」。「faire caraméliser des carottes」は、ニンジンに砂糖少々を加えてバターで炒め、つやを出すことで、「glacer」と同義です。
● chambrer
ワイン(主に赤ワイン)を、栓を抜く数時間前にカーヴから上げて室温状態にすること(15度〜18度)。といっても暑い時はワインがぬるくなりすぎるので、流しに水道の水を張って軽くワインを冷やすことが必要な時もある。ボージョレのごとくタンニンが薄く軽い赤ワインは、やや低めの温度(11度〜14度)で飲むことが多く、カフェやレストランで「Chambré ou fraisé」と聞かれることが多い。
● chapelure
パン粉のこと。日本のものよりかなりキメが細かい。生パン粉は「chapelure blanche」、オーブンで軽く焼かれたものは「chapelure blonde」、もう少し色濃く焼かれたものは「chapelure brune」。
● cheminée
「cheminée」は「煙突、暖炉」のことだけれど、料理用語としては、ミートパイなどパイ生地ですっかり包んでからオーブンで焼く時に、上部中央に蒸気が出るようにあけた穴。アルミホイルを小さな煙突の形にして差し込むといい。これ専用の「cheminée」も市販されている。
● chemiser
「chemiser」は、料理用語では、型や器にくっつかず、型抜きを容易にするために、あるいは料理全体を包むために、型や器に、硫酸紙、カラメル、ゼリー、薄く切った豚脂、野菜やハムを敷くこと。「chemiser un moule de papier sulfuris〜」なら「型を硫酸紙で内張りする」という意味。
● chiffonnade
レタス、ホウレンソウなどの葉を重ね合わせ、5ミリ間隔に切って細長い帯状にしたもの。そのままをビネグレットソースで和えてサラダにしたり、バターで煮くずして付け合わせにしたり、スープに加えたりする。「ajouter une cuiller?e de chiffonnade d’oseille」とレシピあったら、オゼイユのシフォナードをひとさじ、たとえばスープなどに加えること。
● ciseler
薄刃の包丁を使ってホウレンソウなどをシフォナード状に切ったり、パセリなどのハーブを細く切ること。「ciseler un poisson」とあったら、火が通りやすいように、魚に斜めに浅く切れ目を入れること。
● clarifier
スープなどを「澄ます」こと。卵の白身を加えてそれと一緒に不純物を凝固させてからこせば、澄んだコンソメ。レシピによく出てくるのは「beurre clarifié」。不純物をのぞいた澄ましバター(インド料理ではギーと呼ばれる)のことで、普通のバターと違って高い温度で魚や肉を炒めても焦げないし、保存もきくので、まとめて作っておくといい。
*beurre clarifiéの作り方 : 少なくともバター250グラムを用意。切り分けてから鍋にとり、湯せんにかけ溶かしていく。ごく弱火、絶対にかき混ぜないこと。すっかりとけたころに表面に白い泡(カゼイン)が浮かんでくる。これをスプーンで丁寧にすっかりとりのぞいたら、冷蔵庫で保存する容器に静かに注いでいく。底に沈んでいるかすが入らないように気をつけたい。これがbeurre clarifié。
● clouter
「くぎを打つ」という意味。レシピでは「clouter un oignon」とか「oignon clouté」という形で登場。タマネギ1個、丸ごと皮をむいたものに丁字を刺すこと。丁字は香りが強いので多くても2本で十分。肉を長く煮込む時などに入れる。
● concasser
トマトなどの野菜を、粗めに切りきざむことが「concasser」。「poivre concassé」とか「coriandre concassée」ともレシピに出てくるが、コショウやコリアンダーの粒々を切りきざむのはちょっと不可能。クッキングシートなどに使う分をきちんと包んでから、めん棒を押しつけるようにしながら行ったり来たりさせ、好みの大きさの粒々にする。
● condiment
「condiment」は、塩、コショウ、カラシ、ニンニク、きざんだタマネギやエシャロットなどの調味料、薬味を指す。日本料理だったら、しょう油、ワサビ、ショウガ、唐辛子などが「condiment」。
● confire
ガチョウoieやカモcanardのもも肉や手羽肉をそれぞれの脂と一緒に長く煮込んで保存すること。缶詰になっている「canard confit(ふつうカモのもも肉)」は、急な客の時など温め直すだけでおいしいので、常備しておくと便利。パリのビストロでも人気の一品だ。
● coulis
クーリ、やや液状のピュレのこと。主に野菜(トマト…)や果物(イチゴやフランボワーズ)の場合に使われる用語。煮つめてすりつぶし、こすのが一般的な作り方。最近は、軽く煮るか生のものをミキサーにかけ、こすだけの軽い液状に近いものも作られる。そのままソースにして添えたり、ソースの味を高めるために使われる。同じようにして作られるカニやロブスターのポタージュは「bisque」と呼ばれる。
● court-bouillon
文字通り訳せば「短時間煮たダシ」。食材がすっかりかぶるくらいの水に、塩、香辛料、香草などを加えてその風味を煮出したダシのこと。一度冷ましてから食材を加え、ゆっくり煮立てて風味を食材にしみ込ませることがコツだ。エイのヒレや臓物用には酢、くん製魚やヒラメなどには牛乳、魚には予算が許したら白ワインなどを加える。牛乳入りは「court-bouillon au lait」、白ワイン入りは「court-bouillon au vin blanc」。カニやエビは粗塩とコショウで十分。これは沸騰しているところに入れる。
● crème
「crème fraîche」は生クリームのこと。「épaisse」だったらポマード状、「fleurette」だったら液状だ。「crème chantilly」は泡立てたホイップクリーム。「crème anglaise」はチョコレートケーキなどに添えるカスタードソース。「crème pâtissière」はエクレアなどに入るカスタードクリーム。「crème au beurre」はバタークリーム。「crème renversée」はカスタードプリン。「crème d’asperges」はアスパラガスのポタージュ。「crème de cassis」は食前酒のキールなどに入れるカシスのリキュール。
● croûton
魚のスープなどに添える小さな揚げパンのこと。「croûton aillé」とあったら、揚げる前にニンニクをこすりつけて風味をつけたもの。
D
● décanter
不純物をのぞくためにダシや煮汁などの上澄みを移しとること。年代物の赤ワインを、瓶の底にたまっているおりをのぞくためにデカンターに移すこと。空気に触れさせてワインを活性化する効果もある。
● décortiquer
「décortiquer des crevettes」は「エビの殻をむく」、「décortiquer des noix」は「クルミの殻をむく」。
● découper
肉の塊、チキン、ウサギなどを「切り分ける」。
● déglacer
調理中に底に固まったうま味sucを、液体を注いで風味高い煮汁にすること。ふつう、焼き上がった肉のかたまりを取り出した後のフライパン、鍋、天板などの余分な脂を捨て、少量の水、ブイヨン、ワイン、その他の液体を注いで弱火にかけ、木のヘラなどで底にこびりついているうま味を溶け込ませる作業だ。こうして得られた煮汁は、そのままをソースとして添えたり、手のこんだソースの素にする。
● dégorger
キュウリ、ナスなどに塩を振ってしばらく置き、余分の水分やアクを出させること。キュウリの塩もみでも同じことをしますね。臓物などを水や酢水にさらして、血や不純物を除くことも「dégorger」。
● dégraisser
「graisse」は脂、「dégraisser」は脂を除く作業。たとえば「dégraisser un filet de bœuf」だったら 牛のフィレ肉の脂身を取り除くこと。「dégraisser le bouillon」ならブイヨンの表面に浮かんだ脂をスプーンなどですくいとること。クッキングペーパーを表面にそっと置いて吸いとらせてもいい。一度冷やして表面の脂を固まらせると作業はずっと楽になる。
● délayer
液体で小麦粉やスープの素などを溶かしたりすること。「délayer la maïzéna avec un peu d’eau」とあったら、コーンスターチを少量の水で溶くことだ。
● démouler
ケーキやタルトなどを型から抜くこと。きれいに抜くためには焼く前に型にバターを塗っておくこと。その上に薄く小麦粉をはたくとさらにくっつきにくくなる。ケーキなどはオーブンから出したらすぐに型抜きするが、タルトなどはすこし冷めてからの方がいい。.抜く時にナイフなどを使うと、型に傷がついてしなうので、避けたい。
● dénoyauter
「noyau」と呼ばれるサクランボ、オリーブ、プラムなどの大きな種(芯)を、なるべく全体の形をこわさず抜きとること。これ専用の道具は「dénoyauteur」。
● désosser
肉や鳥の骨をとり除くこと。なるべく骨に身を残さないようにすることが大切だ。「des cuisses de poulet désossées」なら「骨をはずされたチキンのもも肉」の意味。
● dessaler
塩抜きをするという動詞。「dessaler les tranches de lard fumé en les bouilant」と出てきたら「ベーコンをゆでて塩出しする」という意味になる。
● détailler
ハサミや包丁で細かく切り分けること。「détailler le beurre en petits dés」とあったら、バターを小さなさいの目に切り分けることだ。
● dorer
もともとは「金ぱくを張る」という意味だが、料理用語としてはキツネ色にこんがり焼くこと。あるいは、焼く前にパイなどの表面に溶き卵を塗ってつやが出るようにすること。
● dresser
「dresser」は「真っ直ぐに立てる、調教する」といった意味の動詞だが、料理用語では「dresser dans une assiette」なら皿に盛りつけること。また「dresser la table」なら、皿、フォーク、ナイフ、グラスなどを置いて食卓の用意をすること。
● duxelles
マッシュルームchampignons de Parisをエシャロットといっしょにバターで炒めて水分を飛ばしたもの。ファルス、ソースなどの味をよくするために用いられる。「duxelles blanche」はデュクセルに生クリームとかベシャメルソースを加えたもの。魚料理のソースとかクレープに入れるとうまいものだ。
E
● ébullition
「沸騰」という意味で、「porter à ?bullition(沸騰させる)」という形でレシピによく登場する。
● écailler
「écaille」は「(魚やヘビなどの)うろこ」。「écailler」は「うろこをとる」こと。
● écosser
「cosse」はグリーンピースpetits pois、ソラマメfève、インゲンharicotなどのサヤのこと。そこで「écosser」はサヤから豆をとり出すこと。
● écraser
押しつぶすこと。レシピでは「écraser deux gousses d’ail et les hacher ニンニク2片を押しつぶしてみじんに切る」などと出てくる。
● écumer
「アクをとる」という動詞。澄んだスープを作る時には書かせない作業。アクをとる時に使う網しゃくしは 「écumoire」という。
● égoutter
「goutte」は「しずく」だから、「égoutter」は、調理中の食材を、こし器、網、クッキングペーパーなどに入れたり置いたりして、水気や油気を切ること。「?gouttoir à vaisselle」は、流しの脇に置き洗った食器を立てたり並べたりして水気を切るもの。
● émincer
野菜や肉の切り身などを5ミリ前後の厚さに切ることを「émincer」という。それ以上に細くせん切りにする時は「tailler en julienne」になる。レストランのメニューに「émincé de volaille」とあったら、チキンを細く切ってソテーしたものだ。普通クリームソース仕立てになる。
● émonder
アーモンドやピスタチオなどの甘皮をとることを「émonder」という。熱湯を通してからこすって薄皮をむくといい。「émonder une tomate」とあったらトマトを湯むきすること。
● enrober
「enrober」は「つつむ、くるむ」という意味の動詞。「enrober le gâteau de chocolat」なら「ケーキをチョコレートでくるむ」ことだ。
● épaissir
「épaissir」は煮つめたり、コーンスターチや小麦粉を加え、スープやソースをとろりと濃くすること。
● escalope
「escalope」は肉や魚のおろし身の薄切りのこと。肉では「escalope de veau」として子牛肉によく用いられる。レストランのメニューに「escalope de veau à la milanaise」とあったら、ミラノ風子牛の薄切りのカツ。「escalope de veau à la normande」なら、ノルマンディー風クリームソース添え。メニューに「de veau」とことわらず、単に「escalope」と記されている時は、子牛ではなく七面鳥の胸肉の薄切りであることが多いので、気をつけたい。値段は安めだが味はだいぶ落ちる。
● escaloper
肉、魚または野菜を,料理に適した厚さに斜めにそぎ切りにすること。たとえばヒラメの刺身をつくる時は、「escaloper le filet de turbot」となる。
● étouffée
蒸し煮のこと。ごく弱火で、きちんとフタをした鍋で、ほとんで水分を加えず,食材の水分だけで煮ていく調理法。「cuire la viande à l’étouffée」とあったら肉を蒸し煮すること。
● étuver
「cuire à l’étouffée」とほとんど同義。食材(主に細く切った野菜)を、バターなどごく少量の油脂とともに鍋に入れ、ごく弱火で、きちんとフタをして、食材の水分だけで煮ていく蒸し煮のこと。「étuver les laitues en julienne au beurre」なら、せん切りにしたレタスをバターとともに蒸し煮していくこと。