Pommes au four
6年前の10月に、オヴニーの取材でパリ郊外の農園にリンゴ狩りに行ったことがある(729号)。一列に並んだリンゴの木には、色も形も大きさも異なるリンゴが実っていた。そう、9月末くらいから12月にかけてがリンゴのシーズンで、丸ごとかじって、さまざまな品種のそれぞれの味わいを楽しみたいものだ。少し多めに買ってきて砂糖煮compoteやジャムを作るのもいい。リンゴのタルトやタルト・タタンのレシピはすでに紹介してあるから、今回はpommes au fourという、オーブンでリンゴを焼くだけの、手間のかからない、どこの家庭でも作っているデザートです。
これは以前の隣人のジャン・クロードさんから教わったもので、リンゴの下にビスコット(右欄参照)を敷くのと、砂糖だけでなく干しブドウも入ります。この焼きリンゴには、レネットやエルスター、ピンクレディーが向いている。
まず干しブドウを紅茶に1時間ほど漬けてふっくらさせるのだが、子どもがいないときは、カルヴァドス少々も加えることにしている。1時間たったら、干しブドウをパソワールにあけて水気を切る。オーブンの目盛りを180度に合わせて点火する。
リンゴは表面を丁寧に洗ってから、芯をそれ専用の道具vide-pommeか皮むき器でえぐり出すのだが、突き通して穴をあけないように気をつけたいところだ。ここまでがちょっとした手間といえば手間。
次に、ポマード状になるまで室温で柔らかくして置いたバターをボウルにとり、砂糖、シナモン、干しブドウを加え、スプーンで混ぜ合わせ、リンゴの芯を抜いた穴に詰める。バターを塗ったオーブン皿に、両面にバターを塗ったビスコット4枚を置き、その上にリンゴをのせ、熱くなっているオーブンに入れる。30分ほどで焼き上がる。
熱々を食べてもおいしいし、少々冷ましてから、バニラアイスを添えれば、立派なデザートになる。食べ終わってから、大人は、口の中に残るリンゴの甘みといっしょにカルヴァドスをひと口。(真)
4人分 (バター、砂糖の量はリンゴの大きさで変わるので加減してください):リンゴ4個、バター約60グラム+オーブン皿やビスコットに塗る分、砂糖大さじ4杯、シナモン適量、ビスコット4枚