●Archi & BD, la ville dessinée
最近コミックスBDや「マンガ」に熱中している娘と同級生を誘って『建築とBD、描かれた都市』展を訪れた。
細長い会場には、たくさんのBDのオリジナルや雑誌の表紙、そして建築の設計図、模型などが展示され、二つの世界が20世紀初頭から現在までどのように並行して歩んできたか、という歴史がたどられる。
ニューヨーク、パリ、東京と三大都市を舞台にどんなBDやマンガが制作されたか? 同時に建築家たちがイメージした都市計画とはどんなものだったか? 設計図から立体化するのが建築家の仕事だとすると、BDやマンガの作家たちは、ペンや鉛筆で空想または実際の都市を平面上に描いていく。たしかに各自が「イメージする」街を紙の上に実現する、という点では似ている。
前世紀初頭のリトル・ニモ(ウィンザー・マッケイ作)や今でも子供たちに人気のあるスーパーマンやスパイダーマン、世界の都市を旅したタンタンもいれば、パリの街を未来的というかユートピアのように変身させたエンキ・ビラルやメビウスなどの作家も紹介されている。私個人は手塚治虫の空想世界のほうが好みだけれど、東京の街は谷口ジローと久住昌之の結構写実的な『散歩もの』で紹介され、最近映画化されたAdèle Blanc Sec(タルディ作)の原画も展示されている。
どこに行ったのかと思っていた娘たちが戻ってきた。「もう見終わったからBDを読んでるね」どうやら建築家とBD作家たちがどのようにコラボレーションをしていったかという実例を紹介する最後のコーナーよりも娘たちにはBD読書のほうがよいらしい。結局最後はBDを1時間ばかり読んで見学はおしまい。(海)
Cité de l’architecture & du patrimoine :
1 place du Trocadéro 16e M° Trocadéro
11/28迄(火休)。11h-19h(木 -21h)。
5€-8€(12歳以下無料)www.citechaillot.fr/