Blanc-manger aux amandes
ブランマンジェは古くからあるデザートで、最近はココナツミルク風味とかいろんな香りをつけたものがあるけれど、本来はアーモンド風味。杏仁豆腐の好きな人にはたまらないデザートになるだろう。
まず板ゼラチンを水に15分から20分ほど漬けておく。
鍋に牛乳を250ccとる。今回は濃い味わいになるように全乳lait entierを使うが、好みでは半分脱脂した牛乳demi-écréméでも構わない。アーモンドの粉を加え弱火にかける。よくかき混ぜながら沸騰するまで火を通す。沸騰したらすぐに火から下ろし、アーモンドの香りがよく出るように10分ほど置いてから、おいしい香りのついた牛乳を木のヘラなどで押しつけるようにしながら、残りなく漉すことにしたい。きめの細かい砂糖sucre glace 50グラム、よく水気を搾ってから小さくほぐしたゼラチン、それにアーモンドエッセンス少々を加えるが、アーモンドエッセンスは、入れすぎるとせっかく使った粉アーモンドの香りが台なしになるので控えめに。再び弱火にかけ、ゼラチンが完全に溶けたら火から下ろし、そのまま冷ましておく。
この間に生クリームを泡立てて、クレーム・シャンティイを作ることにしよう。ボールと液状生クリームをあらかじめ冷蔵庫で冷やしておくことが何よりも肝心だ。ボールよりも大きめの器に氷を入れ、その上にボールを置き、生クリームを加え泡立て器で泡立てていく。量が倍くらいになってクリームが泡立て器にくっつくようになったらでき上がりだ。これを室温になったアーモンド乳に優しく混ぜこんでいく。これを、今回は型に入れず、カクテルグラス4個に等分になるように注いでから冷蔵庫で少なくとも3時間くらいは冷やして固まらせたい。このとき、冷蔵庫の匂いが移らないように、グラスをラップできちんと包むことが大切だ。
このまま食べてもおいしいけれど、上に、さいの目に切ったマンゴーやフランボワーズの砂糖煮、あるいはフルーツサラダなどをのせたら文句なしのうまさ!(真)牛乳250cc、粉アーモンド50g、板ゼラチン2g、液状生クリーム150cc、砂糖(sucre glace)50g、アーモンドエッセンス少々。
●〈砂糖〉豆辞典
サトウキビcanne 0 sucreとビートbettrave (砂糖用は赤くなく、いびつで大きなカブといった形)の主成分、しょ糖を抽出したものが砂糖。世界の砂糖の70%はサトウキビが原料となっている。フランスでは大きく白砂糖sucre blancと褐色砂糖sucre rouxに分けられている。しょ糖の純度が高いもの(99.5%~99.9%)は白く、純度が低くなるにつれ(85%~99.5%)褐色の度合が強くなる。
さまざまな形状で売られているが、sucre cristallisé はグラニュー糖。しょ糖の細かな細かな結晶をそのまま残したもの。ケーキのデコレーション、カクテルグラスの縁飾り、フルーツゼリーのコーティングに欠かせない。
sucre semoule (sucre en poudre)は、グラニュー糖をさらに細かく砕いて粉状にしてふるいをかけたいわゆる白砂糖。
sucre en morceauxは角砂糖で、コーヒーや紅茶用。白砂糖と褐色砂糖の2種類があって、風味が異なる。褐色砂糖には、形がばらばらでpetits rochersと呼ばれるものもある。
sucre glaceは、今回のレシピ、ブランマンジェに使った砂糖。sucre semouleよりさらにきめが細かく、塊にならないようにでんぷんが3%ほど加えられている。ケーキの上に振ると雪のようにきれいだし、コーティングにも欠かせない。
cassonadeは褐色砂糖のグラニュー糖。その独特な風味は南からやって来た料理の必需品。カクテル用の砂糖蜜もこの砂糖で作るとうまい。
vergeoiseは不純物が多くきめの細かいほとんどセピアの砂糖。黒砂糖を思わせる風味でヨーグルトの甘味には、これが一番だとボクは思う。フランドル風ビール料理にも、この砂糖を少々加えたい。
sucre 《spécial confiture》は、文字どおりジャムを作る時に使用する砂糖。ゼリー化を助けるペクチンが添加してあるので、普通よりも砂糖の量を減らしてジャムを作ることができる。
特にかたまりにくいチェリーのジャムには必需品。
●牛乳
フランスでも牛乳は殺菌方法の違いでlait pasteurisé とlait stérilisé U.H.Tに分けられている。前者は、72~85度で15~20秒間の「高温殺菌」を受けた牛乳。後者は、130~150度で2~10秒間の「超高温殺菌」を受けたもので、保存がきき、開封してないものは室温で3カ月もつ。
lait entier は乳脂肪分が1リットル当たり36グラム以上で、赤いパック入り。lait demi-écrêmé は乳脂肪分が1リットル当たり17グラム前後で青いパック、lait écrêmé は乳脂肪分1リットル当たり3グラム以下で緑のパック。(真)