2001年に、フランソワ・シェレック氏が、組合員約80万人、フランス第一の労働組合CFDT(フランス民主主義労働組合)の事務局長に選ばれた時、彼自身「底辺の組合員でしかない私が」と、とまどったという。2003年春の定年制改正法案反対闘争の時には、早々と政府案をのみ込み、御用組合扱いされて評判を落とした感があったが、今年のCPE反対デモでは、他の労働組合指導者と並んで行列の先頭に立ち、みごとに撤回を勝ちとった。「各組合の団結さえあれば、大がかりなストライキを打たなくても要求を通せることを実証できた。以来CFDTへの加盟者が増え続けている」。6月12日から始まったCFDT全国大会で事務局長に再選されるのは確実だ。 1956年、重工業で栄えていたナンシー市で生まれる。父親自身CFDTのリーダーだった。22歳の時に、自閉症の子供たちのための施設を山の中につくることを目指したが挫折。同年にCFDT加盟。南仏のディーニュ市の精神病院で15年間、教育プログラムを担当する。柔和な声や物腰にこの経験が反映しているようだ。「さまざまなオピニオンの違いに耳を傾けることができる、権力主義的でないリーダーが目標だ」(真) |
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