「日高先生の文章を読んで」
思いがけず去る2月1日発行のオヴニーで日高先生のインタヴュー記事を拝見しました。 どんな人にも理解しやすい言葉で現行憲法の大切さを説いておられ、 感動しました。現在はパリの郊外に居住されておられると知り、 驚くと共に日本に失望をされての結果であるかもしれないと想像しております。
私はフランス在住もかれこれ25年以上になります。パリ68年5月の時は20歳で、パリ市中の壁に書かれた言葉や表現を真剣に手帳に記した記憶があります。また東京の大学紛争の時は21歳、 当時属しておりました中央大学法学部のゼミで闘争委員会を組織し、 私なりに参加しました。
私たちの世代は、戦後一番民主主義的な教育を受けてきた世代で、個人的にはこうした若い時代の経験が、それまで普通とされてきた人生を送ることに抵抗を感じさせ、 結果的には欄外人生を過ごすことになりました。
フランスに住んでおりますと、 よくフランスに対して批判的になることもたびたびですが、 最近の出来事で、フランスがアメリカやイギリスに正面向かってイラクへの出兵反対を主張した時は、 さすがフランスという思いがしたものです。
この意味では、強い者に従う日本政府が情けなく思えます。 私たちの世代が日本の政治、経済を司る時代になっても変わりないのはどういうことなのでしょうか。 (S.B.)