★★★★Juliette Greco
シャンソン界の大御所、ジュリエット・グレコは今年で76歳。サンジェルマン・デ・プレの女神は今なお健在です。昨年末には、B・ビオレーやC・ミオセックといった新進歌手たちの作品ほかゲンズブールの未発表曲を含む新アルバム “Aimez-vous les uns les autres ou bien disparaissez /あんたたちお互いに愛し合いなさい、さもなければ、消えちまえ”(Polydor)を5年ぶりにリリース。センセーショナルな話題を呼んだ。 今回の公演もいつものように “女” がテーマ。危険な娘や愛のヒロインなど、言葉の特性を十分に発揮しながら彼女自身の中にあるさまざまな女の愛を歌う。B・ラヴィリエ作曲/詩人アラゴンの代表作『薔薇ともくせい草』が感動的。 27日と28日/20h30、29日/17h 39~57€(Fnac/Virgin) *L’Olympia: 28 bd des Capucines 9e 08.9268.3368 ★★★Herve Vilard 『カプリの恋の物語』や『さよなら』の大ヒットで日本でも知られる往年のアイドル歌手エルヴェ・ヴィラールが、なんと詩的シャンソンに挑戦するという、ファンにとって予想外な今回の公演内容に注目。5人のミュージシャンをバックに、アラゴン、ジュネ、プレヴェール、ネルーダ、ブレヒトらの文学作品からファノンやディメの歌を含む12の詩のほか、彼のヒット曲『私たち』や『帰っておいで』なども歌われる。小劇場なのでかぶりつきで聴ける。 5日~3月21日。火~土/20h。30€/40€ *Theatre de Dix Heures: 36 bd de Clichy 18e 01.4606.1017 |
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●三上寛パリ公演 1971年に登場して、ボクらをあっという間にトリコにした三上寛。彼の歌は、フォークを超えて、ボクらのブルースであり、演歌でありパンクでもあった。藤圭子の『夢は夜ひらく』も、彼が歌うと切なさの中にも絶望や怨みがどくどくと血を流す。 80年代、彼の過激な音楽は敬遠されがちだったが、90年代に入って、圧倒的な音楽活動を再開し、吉沢元治やジョン・ゾーンなどの前衛派とも共演。そして21世紀…怨歌に生きる三上寛の存在はますます重く、その絶唱は、ボクらの心を奮い立たせ、癒してくれる。パリ公演は必聴。一部はエリック・エネルによる都会的センスのシャンソン。(真) |
14日/19h 12€/10€(会員) |
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●2月の日曜の朝の室内楽 8日は、ミハイル・ルーディーのピアノとエルサレム弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第3番、ドヴォルザークのピアノ五重奏曲イ長調ほか。15日はピアニスト、クン・ウー・パイクの演奏で、ブラームスの変奏曲、シューマンの『パピヨン』ほか。29日は、アルバン・ベルク弦楽四重奏団の演奏で、ハイドンの弦楽四重奏曲『五度』、ブラームスの弦楽四重奏曲第2番ほか。早起きして出かけましょう。 20€(当日売りのみで10hから発売) *Theatre du Chatelet : 1 place du Chatelet 1er 01.4028.2840 ●大野和士指揮による〈Enfances〉 ベルギー王立歌劇場で音楽監督を務める大野和士の指揮、アンサンブル・アンテールコンタンポランの演奏で、『子供の時』と題された現代音楽のコンサート。子供の世界に満ち満ちていた音たちが、どんな音楽になるのかな? 7日/20h 16ロ *Cite de la musique : 221 av. Jean-Jaures 19e 01.44.84.44.84 www.cite-musique.fr ●裕イサオと沖至のデュオ リヨンからパリ近郊に引っ越してきたピアニスト、裕イサオ。彼のイマジネーション豊かな、エネルギー溢れるピアノと対話するのは、沖至のトランペットで、音楽の流れのちょっとした変化にも自由自在に対応していく。「今回もぶっつけ本番インプロビゼーションです!」という頼もしいレターが裕から届いた。 14日/20h30、15日/18h30 10€ *Studio Shala: 10 rue du Sergent Bobillot 93100 Montreuil M。Croix de Chavaux ●Le Pacifique esprit アコーデオンの清水貴博とギターのマルチェロ・ザヴァラが率いる〈ル・パシフィック・エスプリ〉の音楽は、ラテン風リズムとジャズがみごとに溶け合って、いつ聴いても楽しい。 17日/22h 12€ *Sunside : 60 rue des Lombards 1er 01.4026.2125 |
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●赤いハンマー ギターのジャン=フランソワ・ポヴォロス、シンセのジャン=マルク・フサ、ドラムスの佐藤真で結成されて10年になる〈赤いハンマー〉、ジャズ、ロック、現代音楽、民俗音楽などが微妙にクロスしている領域で、一回限りの即興演奏を続けている。昨年はソニック・ユースの一部で演奏し、そのエモーショナルなプレイで大喝采を浴びた。彼らが一年ぶりにエスパス・ジャポンにカムバック。今回はゲストなしのトリオ演奏で、とことんサウンドの冒険にいどむ。 22日/20h30、23日/17h。10€/会員8€ *Espace Japon : 9 rue de la Fontaine au Roi 11e 01.4700.7747 M。Republique |
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