● 〈Photo poche〉シリーズ ノエルのプレゼントに、友人からポケット版の写真の本を2冊まとめてもらって、ボクは幸せな気分。いずれもナタン出版社の 〈Photo poche〉シリーズだ。 一冊は以前から気になっていた『Joel-Peter Witkin』。美醜にとらわれず、縛ったり、剃ったり、ゆがめたり、と痛めつけながら、それでも最後に残る肉体風景の実在感を追い続けるウィトキン。犯罪の現場写真が持っているような生々しい力にノックアウトされてしまった。今度は大判の本を見つけて買いたいなあ。パリー=ジャニスの序文もみごと。 もう一冊は『Duane Michals』。現実を切りとった一枚の写真が持つ物語性を追うだけに飽きたらず、何枚かの写真を構成して短編小説のようなしゃれた世界を表現しようとしたマイケルス。そのひとつ『Prends-en une et vois le Fujiyama』には思わず笑ってしまった。富士山が何のことかって? ちょっと声には出せないなあ…。 ポケット版なので、残念ながら、印刷は鮮明でも細部はよく見えない。でも一冊10ユーロという安さだから、自分の知らない写真家を発見するのには最適。ナダールに始まり、ルイス・キャロル、ブラッサイ、マン・レイ、カルティエ=ブレッソン、ドワノー、ユージン・スミス、ウイリアム・クライン…。これまで日本の写真家が入っていなかったのは手落ちだったが、最近、『Araki』が登場。序文はアラン・ジュフロワ。(真) |
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