Gateau au yaourt
娘のリリは高校2年生、ときどき台所に入り込んで料理を楽しむようになってきた。「卵もバターも少ししか入らないから、カトル・カールよりはずっと体にいいよ!」と、最近、何度も繰り返し作っているのが、このヨーグルトケーキ。朝ごはんにもいい。今回は、季節の果物、洋ナシも入る彼女の最新バージョンです。
材料は、 ヨーグルト2個(フランスでは1個125cc)、卵2個、小麦粉はヨーグルトの容器3個分、ベーキングパウダー1袋(11グラム)、砂糖はヨーグルトの容器1個半分だが、バニラシュガー1袋を混ぜ入れてもいい。それに洋ナシ2個。
「混ぜ合わせる順番はなし。手当たり次第で大丈夫。小麦粉もふるいにかける必要なんかなし」と彼女は主張するが、ボクは、まず卵と砂糖を白っぽくなるまで泡立て器で混ぜ合わせてから、ヨーグルトを加える。卵の黄身と白身を分け、最後に堅く泡立てた白身を加えればもっとふっくらとするはずだ。ここへふるいにかけた小麦粉とベーキングパウダーを少しずつ混ぜ入れ、溶かしバター大さじ2杯を加えれば生地の準備OK。
この辺でオーブンに点火しておく(目盛りは180度)。
洋ナシは四つ割りにしてから、皮をむいて芯のところをとり、適当に切り分け生地に混ぜ入れる。テフロン加工してあるケーキ型かサヴァラン型に生地を流し込む。リリは、ナシの一部を薄く櫛形に切って、型の底に敷いておく。芸が細かくなってきた。
熱くなっているオーブンの中段に入れて、30分ほどで焼き上がる。焼き上がっているかどうかは、ナイフを刺してみて、先が濡れていなかったらOK。熱々よりも、少し冷ました方がナシの味がよくなります。(真)
●カトル・カールを焼く。
カトル・カールquatre-quartsも作り方は簡単で、誰にでも好かれるケーキです。卵、バター、砂糖、小麦粉が同量入るので、1/4が四つという名前になった。
まず小さく切ってから室温で柔らかくしておいたバター180グラムと砂糖180グラム(ボクは控えめに150グラム)をクリーム状になるまで混ぜ合わせる。ここへ、大きめの卵3個をよくときほぐして少しずつ加えていく。塩少々、あったらバニラも少々、小麦粉180グラム、そしてベーキングパウダーを半袋分加え、全体が均一になるまで混ぜ合わせる。かなりの力仕事だ。もちろんこれも、黄身と白身を別々にして最後に泡立てた白身を加える方が、ぐんときめがこまかくなる。あとは型に流し入れてオーブンで焼くだけ。45分くらいできれいに焼き上がる。レモンの皮やラム酒などで香りをつければ、さらにおいしくなるだろう。
●塩味のヨーグルトケーキ
ヨーグルトケーキがお手のものになったリリに、ハムやチーズが入った塩味はどうだろう、と提案したら、さっそく試作を焼き上げてくれた。これがうまい。ちょっとおなかがすいた時に重宝しそうなのでご紹介。材料のヨーグルト、卵、小麦粉、ベーキングパウダー、バターの割合は右のレシピ同様だが、バターの代わりにオリーブ油を入れる方がおいしいかもしれない。もちろん砂糖は入れず、かわりに塩を小さじ半杯ほど加える。やはり右のレシピのごとく材料すべてを混ぜ合わせる。
中に入れるものは好き好き。たとえばコンテチーズ、ハムはどうだろう。さいの目に切って生地に混ぜ入れる。種を除いていくつかに切り分けたオリーブを加えてもおいしい。ベーコンを加える時は生地の塩味を控えたい。あとは焼き上げるだけ。熱々のものも少し冷めたものもおいしい。
●ケーキ型 moule à cake
英語からきているのでケークと発音しますが、英語のようにケーキ一般を指すのではなく、果物の砂糖漬けや干しブドウが入った長方形のケーキのこと。このケーキ専用の型がmoule à cake。サヴァラン型moule à savarinはもちろんサヴァランを焼くときの型で、真ん中に泡立てた生クリームをたっぷりと盛ることができるように冠形になっている。切り口が小さめのケーキを焼くときにも使えます。どちらもテフロン加工のものが便利。
●ベーキングパウダー levure chimique
ベーキングパウダーは水と熱が加わると炭酸ガスを出して生地をふくらますので、生イーストのように寝かせる必要がなく簡便。揚げ物の衣などにも少し加えたりする。インスタントのケーキの素などにもこのベーキングパウダーが入っている。 乾燥したところに保存しましょう。
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