「信号が赤になる!」と思ってはダッシュして、「あ、バスが発車してしまう!」とバスを追いかけて走る。家の外に出ると何かしらせかされている気がして、つい走ってしまう毎日。いやだなー。時代はファーストフードよりスローフードの時代。ヘイ、リラーックス! スローダウン、ベイビー。もっと “クール” に、フランス人が言うように、もっとzenに生きようではないですか、と自分に言い聞かせる。きょうは、ゆったり生きる人風、余裕満々人の態を装うための「バブッシュ」を探しに。
ここ数年のミュールの流行で、靴屋さんにはおしゃれな「ツッカケ」がたくさん並んでいます。ヒールの高さや形もいろいろ。スニーカーだってかかとの部分がなくなって、ミュール化(=ツッカケ化)するようになって久しいのだから、もはや「靴にきちんと足が包まれていないと不安」なんて言ってはいられない。日本も一昔前まではツッカケの国だったではないですか。 バブッシュはペルシャ語の “ba-boudj”(足をカバーするもの)が語源。ギニアなどでも履かれているそうですが、なんといってもバブッシュといえばモロッコです。イスラム教徒は礼拝の際に靴を脱ぎますが、バブッシュなら着脱簡単。ハマムでもすぐ脱げてしまう。 そういえば日本では、靴のかかとを踏むのは不良の履き方だ、みたいな常識があって《不真面目》の演出にはかかとを踏んだものでした。バブッシュはかかとを踏んで履くもの。真面目な日本人のひとりとしては抵抗を感じるところですが、それを乗り越えて粋に達することが、今夏の課題なのであります。(美)
3人の若者が2年前に作ったバブッシュのブランド。 モロッコで生産。店ではカモフラージュ柄、 よく売れるそう。ヘビ革製もある。 |
コラ奏者のシソコさんは、革のバブッシュ。バルベスの雑貨屋で「15€くらいだったかな」。 バルベス界隈のお店をのぞくとたいてい白、黄、茶など多色揃っています。 小豆色のブブに、空色バブッシュ。街角でも目立っていました。 「ZARAで 買いました」 |
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THE TUBE:7-9 rue de la Ferronnerie 1er 01.4039.0292 無地にサテンのテープをあしらったものは「スモーキング」(69€)。 ほか、おしゃれエスニックモードでおなじみ ANTIK BATIKにも。 18 rue de Turenne 4e. 01.4478.0200 8 rue du Foin 3e. 01.4029.4993」 |
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レバノン人のデザイナー、リナ・オーディさんデザインの芸術的バブッシュ。店の名前 LIWANとは、家の中で人をもてなす間、パティオのような空間を指す言葉だそうです。 かかと有りは125€、かかとなしは106€。 共布の袋に大切に入っています。ジョニー・デップもこのお店のファンだそうです。ジョニーも家でシルクのバブッシュを履いているのかしら。LIWAN:8 rue St-Sulpice 6e 01.4326.0740 |
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