先月のジュリエットの公演に続き、今月もカジノ・ド・パリのプログラムが楽しめます。 ★★★Alain Souchon 人気歌手のローラン・ヴールズィとコンビを組んで「ジャメ・コンタン」や「アロー・ママン・ボボ」など多くのヒットを放ったアラン・スーションの歌には美しい言葉がいっぱい。繊細な感性に加え、彼独特の不思議な音階と躍動するリズムが楽しさを増す。あいかわらず若者たちの間で根強い人気を保っている。 7日~10日/20h30 38.50€ ★★★Marie-Paule Belle シャンソン界のカリスマ的存在だったバルバラの人気は未だ衰えず。そんなわけで、バルバラの死後多くの歌手が彼女へのオマージュを歌ってきたが、昨年、ディズール劇場で歌ったマリ=ポール・ベルの “バルバラ集” は、バルバラの後継者という名に恥じない評判通りのコンサートだった。大歌手の個性を損なうことなく、物真似でもなく、オリジナル曲に忠実に歌うシンプルなピアノの弾き語りは、デビューの頃のバルバラを彷佛させます。 13日/20h30。21€/24€/29€。 ★★ Enzo Enzo 美人歌手で日本でも人気の高いエンゾ・エ ンゾは、ここ数年、ケントとジョイントを組み、各地の音楽祭で活躍。サルサやボサノヴァといったワールド・ミュージックを、爽やかな声でオシャレに歌い上げるのが彼女の魅力。現代人の感覚にぴったりの歌手の一人といえる。 27日/20h。20€/25€/28€。 上記の3つのコンサートはいずれも *Casino de Paris:16 rue de Clichy 9e 01.4995.9999 前売りはFnac、Virginで。 |
A・スーション
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●Veronique Balmon / Douce-heure (Saravah) 優しさdouceur(douce-heure)も時間に区切られているから、知らない間にとげとげしさaigreur(aigre-heure)だけの時間になってしまう。ヴェロニック・バルモンは、柔らかな透明感を持った、言葉のひとつひとつが鮮やかに浮かび上がってくるような声で、そんな移ろいやすく綱渡りのような時間を歌っていく。彼女の自作の詩に、セルジュ・コルシニなどがいい曲をつけている。アコーデオン、ベースなどからなるバックの音楽も、ジプシー風ジャズ、タンゴ、ユダヤ風旋律と旅していくが、バルモンとの息もぴったり合って美しい。処女作とは思えない成熟ぶり。オヴニー大推薦。(真) |
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● 日曜の朝の室内楽 19日は、最近発売されたハイドンの弦楽四重奏曲集でも、各楽器がはつらつと歌いながら、清流のごとく流れていく名演奏を聴かせてくれたプラジャーク弦楽四重奏団。今回の曲目は、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第13番と、クラリネットのパスカル・モラーグをゲストに迎えてモーツァルトのクラリネット五重奏曲。 26日は、ジャズ・ヴァイオリンの第一人者ディディエ・ロックウッドのトリオが、今は亡きステファン・グラッペリに捧げるコンサート。 11h 20€(当日売りのみ10hから) *Theatre du Chatelet : 1 place du Chatelet 1er 01.4028.2840 ● ジミー・スコット つるつると少年のような顔をしたジミー・スコットの声帯は、現代の奇跡といってもいい。彼のしなやかな高音で歌われるスタンダードの数々は、僕らの琴線を切ないほどにかき鳴らす。 15日、16日/20h30 20€ *New Morning : 7-9 rue des Petites – Ecuries 10e 01.4523.5639 |
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● Jazz in Japan 3 パリ日本文化会館の “Jazz in Japan” も着実に3回目を迎えた。今年も、日本を代表するミュージシャンが集まり、5日間にわたって熱いジャズを聴かせてくれる。 21日は、サックス奏者の梅津和時が率いる、とびっきりファンキーでフリーなバンド。ギターの鬼怒無月にも注目したい。22日は、能管を吹きながらさまざまなミュージシャンとの出会いを続けてきた一噌幸弘が、民俗音楽にも深い興味をもつヴァイオリン奏者の太田恵資らと共演。23日は、パリの観客にもおなじみになったヴァイオリン奏者、金子飛鳥のカルテット。24日はベルリンを中心に活躍しているピアニスト、高瀬アキとトロンボーン奏者のニルス・ウォグラムが即興プレイ。25日は、ピアニスト、山下洋輔のカルテットが刺激的な演奏を繰り広げる。 いずれも20h30。一般12€/学生・会員7€/ 5日間通し券30€。 *Maison de la culture du Japon : 101bis quai Branly 15e 01.4437.9595 |
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