息子夫婦が仕事で遅くなり、二歳の息子を託児所に迎えに行けなかったのでマミーのわたしが迎えに行ったのだが、母親の署名入りの代理人迎えの同意書を持参しないと自分の孫を引き取れないというのには、ヘー? と思った。そのうえ保母さんに身分証明書を見せなければならなかったのにもちょっと驚き。
息子夫婦はいまだに結婚もせず、あのパクス市民協約とやらの届けもしていない。子供は父親が認知しているのだが、結婚していないため託児所では母親だけが子供の保護者として認められている。したがって母親の代わりに父親が迎えに行くときも母親の承諾書が必要なのだ。
フランスの託児所や幼稚園が身内の者へも必要以上の注意を払っているのは、離婚後や離婚訴訟中のカップルの間でいちばん問題になっている、子供を妻か夫のどちらが引き取るかの複雑な問題に子供がまきこまれる場合が多いからだろう。離婚後、親権を失った父親が幼稚園の前で待ち構えて連れ去ったケースも数週間前に報道されていた。なるほど、保護者の証明を必要としなければ、祖父母もなんら怪しまれずに孫を迎えに行き、親権を失った自分の息子または娘のもとに連れて行くということもできるわけだ。
私の友人で六歳の孫がいる女性がいる。彼女と娘との関係がうまくいかず、娘は息子を彼女の母親、つまりマミーに会わせようとしない。マミーは、いつか遊びに来てくれるかもしれない孫のために田舎の別荘には子供部屋を用意してある。友人が弁護士に相談したところ、祖父母には孫に会う権利が認められているので、娘に対する民事訴訟か示談でどうにかして孫に会えるようにしたいと切望する。考えるだけでもため息が出る。(マミー)