★★★★ Jean Guidoni ジャン・ギドニのために、アストル・ピアソラが作曲、ピエール・フィリップが作詞し、82年にブッフ・デュ・ノール劇場で大成功を収めた「孤独な男のための室内オペラ “Crime Passionnel”」が18年ぶりにラ・ヴィレットのキャバレー・ソヴァージュで再演される。ギドニの最高傑作の一つといわれる作品の、新アレンジによる今回の公演は、初演のときと同様に大いに話題になりそう。 23日迄/20h45 176F (FNACなどで) *Cabaret Sauvage : Parc de la Villette 59 bd Mac Donald 19e 08.0380.8803 ★★★Paris Combo 女性ボーカル、ベル・デュ・ベリーの爽やかで美しい声が評判の五人組、パリ・コンボがオランピア劇場で公演。今流行のラテンやジャズ・マヌーシュ、オリエンタル風にアレンジされたさまざまなリズムの歌からミュゼット風の歌まで、最近では感性も豊かになりました。 6日と7日/20h 170F (FNACなどで) *Olympia : 28 bd des Capucines 9e 01.4742.2549 ★★★Vincent Baguian 前作 “Pas mal” に続いて、最新アルバム “Mes chants” が好評のヴァンサン・バギアンの歌は、日常生活が主題の自作の詩に、シンプルでノスタルジックな演奏をバックにし、ちょっとけだるい感じで歌われるブルース。庶民の心を素直に歌った彼の歌は下町のカフェやビストロの人々の間で親しまれてきた。10月にパリで歌ったブルースが得意な歌手、新井英一も、彼の作品「夜の雌鹿」を歌っているほどの熱の入れようだ。 1日、2日と7~9日/20h 70F *Sentier des Halles : 50 rue d’Aboukir 2e 01.4261.8996 |
ギドニ |
|
|
●Henri Salvador 仏海外県ギアナ出身、今年83歳のアンリ・サルヴァドールの新作アルバム”Chambre avec vue” が大評判だ。 人気音楽雑誌 “Inrockuptibles” の表紙も飾った彼のこのCDは、現在、FNACの推薦盤コーナーに山積みで売られている。笑い袋から出てきたようなキャラクターの彼が、ここではクレオール語で持ち前の甘いソフトな声で歌い、アコースティック・ギターが主体のボサノバやドゥー・ワップなどのリズムがレトロの響きを作り出す。表題曲は、彼の永遠のヒット曲「愛の国シラキューズ」のように美しく、最後の楽園でシエスタしているような心地に。シャンソンでは、今年のベスト・アルバムといってもいい。来年の4月24日~28日オランピア劇場で公演予定だ。(南) |
|
|
|
●ハイドンのピアノソナタ ハイドンのピアノソナタには、モーツァルトのソナタのような深い抒情はないけれど、聴き込むにつれ、ふと陰りを見せる緩徐楽章や溌剌として踊り出したくなるようなフィナーレのトリコになってしまう。フランス人のピアニストによるハイドンというと、今は亡きカトリーヌ・コラールの名盤があるけれど、円熟期にさしかかったアラン・プラネスのハイドンもみごと! 4日は、4番、33番、35番、39番。8日は、54番、55番、60番。いずれも12h45。55F *Theatre du Chtelet : 1 place du Ch液elet 1er 01.4028.2840 ●ギドン・クレーメル 「曲のフレーズや用弓法、左手の位置など、即興的に変えてみることがある。テクニックの鍛錬はその即興のためにあるといってもいい」と自身語っているように、ヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルの演奏スタイルは音楽することの喜びに溢れ、アルゲリッチと共演したベートーヴェンのソナタ全曲集などにはっきりと表れている。今回は、ピアニストのオレッグ・マイセンベルグと共演で、エネスコの「子供時代の印象」やラヴェルのソナタ。 7日/20h30 95F ●ユーリ・ケイン 今一番気になるトランペッター、デイヴ・ダグラスとの共演でも注目されているピアニスト、ユーリ・ケインは、マーラーの曲を演奏したりしながらも、これまでのジャズ・ピアニストのクラシック音楽アレンジとは違った方向を示してくれた。今回はトリオです。 6 日、7日/21h 100F *Duc des Lombards : 42 rue des Lombards 1er 01.4233.2288 ●赤いハンマー + 渡辺真希 舞台に投げ出されてまったく無防備にみえる渡辺真希の体は、彼方からの啓示を今か今かと待ち受けているシャーマンのそれを思い起こさせ、観客は、そのほとんど目に見えないような動きに、彼方からの「意味」を読みとろうとする。ジャン=フランソワ・ポヴロス (ギター)、ジャン=マルク・フサ(シンセ、テープ)、佐藤真 (ドラムス) からなる赤いハンマーの流れるような即興が、そんな自然体の舞踏と触発し合いながらどんなふうに絡んでいくのか、楽しみ。 20 日/21h 80F 01.4009.7040 |