●ガス代値上げ 石油の高騰が続いているが、Gaz de Franceは11月よりガス代を10%~15%値上げすると発表。今年5月に6.5%値上げしたばかり。政府関係省の計算によれば、値上げ後の一年間の暖房費 (新建築・居住面積110m2の家) は、電気12070F、灯油9725F、ガス8657Fとなる。●ゴンクール賞その他 10月30日、芥川賞に相当するゴンクール賞 (5ページ書評参照) は、大方の予想を裏切って、ジャン=ジャック・シュール氏 (59) が25年ぶりに発表した “Ingrid Caven” へ。同日決定されたルノドー賞は、象牙海岸出身アマドゥー・クルマ氏 (73) の “Allah n’est pas oblig” へ。リベリアの内乱に巻き込まれた12歳の少年の目を通して過酷な世界がアイロニーをこめて描かれている。フェミナ賞はカミーユ・ローランスの “Dans ces bras-l”。 ●2000年のボルドー赤ワインは最高 ボルドー地方のヴァンダンジュが終わったが、好天に恵まれたことやブドウ栽培の技術が最近著しく向上したこともあり、収穫されたブドウは糖分が高く、最近の当たり年だった1990年をしのぐバランスのとれた素晴らしいワインが期待できるとのこと。それに引きかえ夏に雨が降ったブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方は並の出来。 ●現金輸送は本当に危険 10月28日午前10時45分、セーヌ・サン・ドニ県のスタン市で現金輸送車が覆面をした6人に襲われ、輸送車の運転手が射殺され、輸送員2人も負傷したが、被害額は3000F! 5月に現金輸送業務に従事する人たちが2週間以上のストを行って、”危険手当” や輸送車の補強などの改善を獲得したばかりだが、まだまだ銀行側などの努力が足りないとして、11月3日に抗議集会。6日にはヴァール県で、現金輸送車がロケット砲などを装備した8~10人組に襲われ、輸送員2人が負傷。 ●ヴィランク選手自供 リール市の軽罪裁判所で、10月23日から2週間半にわたり、98年ツール・ド・フランスでのフェスティナ・チームのドーピング違反に関する裁判が行われた。当時同チームのリーダーだったリシャール・ヴィランク被告は、これまでドーピングを否定し医療チームの自供はウソであると主張していたが、裁判2日目にドーピングの事実を認めた。また、パスカル・エルヴェ選手らの証言を通して、ドーピングがアマチュアをふくめ自転車競技界全般に行き渡っていることが明らかになり、UCI (国際自転車連盟) の薬物使用検査に対する手ぬるさが指摘された。 |
●アルメニア人のジェノサイド 11月8日、上院は「フランスは1915年にアルメニア人のジェノサイドがあったことを公式に認める」という法案を可決した。当時オスマン・トルコ帝国に230万人住んでいたアルメニア人のうち150万人が大量虐殺されている。同内容の法案が1998年5月に国民議会で可決されていたが、トルコ政府の反応を危惧してか上院での採決が遅れていた。この決定に対してトルコ政府は直ちに強く抗議。フランスにはこのジェノサイドや旧ソ連での迫害を逃れてきたアルメニア人やその子孫が数多く住んでいる。 ●狂牛パニック 10月初めにCarrefour系のハイパーで狂牛病のおそれのある牛の肉が市販されていた事実が発覚して以来、フランスで牛肉の消費量が40%減。Afssa (フランス食品衛生局) は、背骨の一部がついたままのコット・ド・ブッフは販売禁止にすべきという勧告を出す。給食に牛肉を出すことをやめる学校が急増している。11月8日、ロシア、ポーランド、ハンガリーに次いで、スペインも1歳8カ月以上のフランス産牛の輸入を禁止すると発表した。 |