16区の住宅街にあるこの店を今年の2月から任されているのは、なんと2つ星レストラン “Apicius” で魚部門を担当していた日本人シェフの司 (つかさ)さん。もちろん季節によってメニューは変わりますが、今回はほぼ一年中登場するこのお店のスペシャリテを味わってみました。
前菜には、鴨のフォアグラ『2種類』。 “4 épices” でローストしたものと、鴨の脂でコンフィにしたものを、それぞれりんごとプラムのコンポートで味わうという、同じ素材を2倍楽しむ料理。りんごのコンポートには中華でよく使う五香粉を、プラムの方にはアルマニャックを隠し味に使い、フォアグラの甘味を一段と引き立てています。一緒にサービスされるさらりとした甘味のjuranconワインとのコンビネーションも絶妙。
メインは鶏の胸肉に、砕いたヘーゼルナッツをのせて焼きあげたもの。『料理は火の通し方が命』と断言する司さん。鶏肉のふっくらとした食感と、ナッツのカリカリした香ばしさに、ローズマリーが程よく香る一品です。付け合せのにんじんのフォンダンは粒々の歯ごたえが残るこだわり。ワインはしっかりしたcoteaux d’Aixの白 (180F) を。デザートのグレープフルーツのジュレはバジリコ風味で口当たりがよく、いくらでもお腹に入ってしまいそう。
これから食材が豊富になる秋に向けて、シェフがどんな組み合わせをしてくるのか楽しみなレストランです。(淑)
A&M Le Bistrot
Adresse : 136 bd Murat, 75016 Paris , FranceTEL : 01.4527 3960
土昼・日休。前菜+メイン+デザートで170F。前菜+メインもしくはメイン+デザートで140F。メインのみ110F。フォアグラ20F増し。