ダカール沖の青黒い海、そして周辺の赤土色の大地と土埃はウスマン・ソウの彫刻の粗いテクスチャーと直結している。2.2メートルもあるウスマン・ソウの創ったヌーバやマサイ、ズールーの眼差しは、アフリカの荒野や黒い海、ダカールの沖にある奴隷売買の島だったゴレ島に向けられているのだ。 |
日本では古代に、さらした白い麻布を衣服に使うようになると『白は清浄の色』とされるようになった。巫女が白装束なように、神聖観を表現する色ともなった。結婚式は花嫁が神に仕える式で、そのために白の祭服を着たのが白無垢の起源、と「日本人と装い」のなかで樋口清之氏は著している。 |
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