本屋さんが元気だ。それも、活気づいているのは大規模な書店ではなく、町なかの小・中規模の本屋さんだという。2015年、フランスでは書店での売上げが2.5%増えた。5年来のことだ。
家賃の高騰などで書店が減るようになって久しいが、パリ市は昨年、半民半官のSemaestを通じて190万ユーロを町なかの小さな書店の支援に充てた。行政による書店保護のイニシアチブの効果も大きいが、人々もそこで本を買うことにより〈自分たちの町の書店〉 を守ろうという意識を持っているようだ。
昨年、テロの直後は客足が減ったものの、すぐに来店者の数は回復。秋の文学賞シーズンに話題になった本の人気はもちろんのこと、全般的にクリスマス時期の販売も順調だった。イスラム、中東、時事分析の本も多く出版され、よく売れている。昨年は特に、多くの人が「話しをすること」を必要とし〈自分の町の本屋さん〉へ向かい、店の人にアドバイスを受けながら本を買ったという。情報は巷に溢れているけれど、そこでは得られない答を求め、現実をよりよく理解しようと、今日も人々は本を手にとる。(六)