昨年3月にお目見えした新型レーダー車が、6月初めより7月にかけフランス全土の県で採用された。
バカンス期に車の利用が増えることを見越した一大プロジェクトで、3月から6月初旬までに119台が投入されるや否や、27万件の違反を検挙。その効率の良さから今年末までにはトータルで200台となり、来年末までにはさらに100台が追加の予定という。
新型車は、ルノーMeganeやプジョー208といったよくある車両の前部ナンバープレート裏側に赤外線フラッシュが、フロントガラスの後にカメラが設置されているので、外観からは一般車両と見分けがつかない。そして移動する特質を生かして取り締まり場所は毎回変わり、高速道路や県道はもちろん、制限速度が比較的低く事故の多い見晴らしの悪いカーブなどもターゲットとなる。
レーダーといえば、運悪く(?)車道脇に設置されたカメラの前をスピード超過で通過した際にフラッシュが光り、「あっ、今光った!」と失意の日々を過ごすうちにPV(罰金徴収書)が郵便受けに届くものだった。しかしこの新型はPVが届いて初めてスピード違反に気付くため、心臓に悪い。またこれまでも覆面車はあるにはあったが、車両の後部座席に大型カメラが載り、中には人為的にシャッターを切るタイプもあるような代物だったため、判別可能だった。
この「画期的」車両に「待った」をかけたのが、自動車団体。「不注意でスピードが上がる場合もあるし、隠れて罰金を巻き上げるようなやり方はどうなのか。”取り締まりが目に見える”ことこそがドライバーにブレーキをかけさせるのではないか」
スピード違反の罰則は1ポイント減点と、罰金135ユーロ。15日以内に支払えば90ユーロに減額されるが…痛いものは痛い。要は「正々堂々と勝負を!」ということなのだろうか?(和)