»C’est peut-être …Leprest» は、昨年に続いて、新人歌手のヤン・ドニの故アラン・ルプレストへのオマージュ。バタクランでのルプレストとゲスト歌手たちが歌い評判になった«Chez Leprest« のような学芸会に似たお祭り騒ぎと異なり、ドニの歌には、ルプレストの詩情が隅々にまで行きわたっているし、真摯なステージに好感が持てる。
今回の公演でも、ルプレストの作品から『Chien d’ivrogne』や『Il pleut sur la mer』など20曲以上を選んで歌っている。ブレル、ブラッサンス、フェレ亡きあとのシャンソン界で「20世紀のランボー」とか「言葉の魔術師」と呼ばれた、酔いどれの歌手・詩人・作家アラン・ルプレストの息づかい、心の叫びが、身ぶるいするほど見事に表現されている。
シャンソンを愛するファンにとっては、「眼の悦楽」と「耳の至福」で酔える、この新世代歌手による本格的なルプレスト集は絶対に見逃せない。(南)
Déchargeurs : 3 rue des Déchargeurs 1er
08.9268.3622 M°Châtelet
12月20日迄の金曜のみ21h30。
15€/21€(Fnac)。