晩秋から初春にかけて、脂がのっておいしくなるヒラメ。ノルマンディーの沿岸などから直送されてくる生きのいいヒラメは、シンプルに刺身にしたり、網焼きしたり、クール・ブイヨンでポシェするのが一番おいしいが、これでは記事にならないので、野菜と一緒にオーブンで焼くことにした。
魚屋で1.5キロ前後のヒラメを買い、頭とはらわたをとってもらったら、皮付き骨ごと四つに切ってもらう。丸ごとオーヴンに入れてもいいのだが、取り分けるときにこわれやすいので、あらかじめ四つに切り分けてもらった方が楽。
次は野菜の準備だ。ニンジンは皮をむく。長ネギは白いところだけを使う。セロリは筋をとる。以上を8センチくらいの長さに切ってから、細くせん切りにする。以上を4、5分ゆでてざるにあけ、氷入りの水が入っているボウルに入れて、一気に冷ます。
このへんでオーブンの目盛りを220度に合わせて点火しておく。
小鍋に生クリームと白ワインをとり弱火にかける。木のへらで混ぜ合わせていき、全体が均一になったら軽く塩、コショウし、火を止める。ゆでておいた野菜と混ぜ合わせる①。
大きめのオーブン皿にバターを塗り、①の半量を敷き、塩、コショウしたヒラメを並べる。その上に①の残りをのせ、アルミホイルでしっかりと包む。蒸し煮したいからだ。しっかり熱くなっているオーブンに入れて、20分から25分。ヒラメは火が通り過ぎると、固くなって風味が落ちるので、20分経ったらオーブンから一度出し、頭の方の身の厚いところにナイフを刺してみよう。すっとナイフが通ればもう火が通っている。まだならもう一度ホイルで覆ってからオーブンに戻す。蒸し煮に使った野菜だけでは付け合わせには不十分だから、魚を焼いている間に他の野菜を準備する。ニンジン、カブ、さやインゲンなどをさいの目に切ってから歯ごたえを残すようにゆで上げ、有塩バターと混ぜ合わせ、きざんだパセリを散らすだけだ。
ワインは、たまのごちそうなんだから、ブルゴーニュのまろやかな白を開けよう。(真)
4、5人分:1.5キロくらいのヒラメ1尾、ニンジン2本、長ネギ2本、セロリ2茎、白ワイン、液状生クリーム150cc、塩、コショウ+付け合わせ用に好みの野菜
●poissons plats
平たい魚poissons platsの王様はヒラメturbot(小さめでbarbueと呼ばれるものもある)。繊細なおいしさがフランス人にも愛され、タイ、スズキ、サケなどと同じく養殖もされている。養殖ものは安いが、味は天然ものに負ける。天然ものだとキロ20€〜30€の高級魚。和風なら刺身か網焼き。フランス風ならバターでポワレしたり、オーブンでローストしたり、蒸したりする。ヒラメは、皮の色が濃い方を上にして置くと頭が左にくるが、カレイの方は右。魚屋で売られているカレイには、carreletとlimandeなどがあり、ヒラメよりかなり安い。どちらもヒラメ同様に調理できる。舌ビラメは名前はヒラメでもカレイ科で、ムニエルが定番。