三人のスタッフがそれぞれ違う季節に、ブリュッセルからローカル線に乗って、フランドル地方のゲント、ブルー
ジュ、オステンドを訪れた。
電車の中はもうフランドル地方。交わされる会話のほとんどが、オランダ語に近いフランドル語だ。ベルギー北部の経済的に優位なフランドル地方と、南部のフランス語圏ワロン地方の対立で、1年半近く政権不在という混乱が続いたことは記憶に新しい。
中世以来、織布業の中心地として栄え、今も商業的、文化的活気を見せる大学都市ゲント、運河に古都の美しいたたずまいを映す観光都市ブルージュ、19世紀末以来、王侯や富裕層の避暑地として栄えた港町オステンド。
三都市三様の面白さを味わう旅は、ベルギーは観光的につまらない、などという偏見をみごとに吹っ飛ばしてくれるにちがいない。
文・写真:林瑞絵、高地良幸、佐藤真